ボランティアで飛び込んだカンボジア近況報告11 |
カンボジア人の「生」のエネルギーを横目にしつつ、念願の「地雷撤去」に出発! |
2003年 12月15日
通巻 1164号
自分は何をしようとしているのだろう?◆某月某日 カンボジアに来てもう一年になります。「地雷撤去をしたい」と思って来たわけですが、バッタンバンでは財布から金が消え、シェムリアップでは地雷博物館にボランティアで入れたのに、気がつけば日本語の授業に追われ、なんだかんだしてる内に一年が過ぎま した。懐の具合も結構やばくなり、「一度日本に帰らねば」と思いつつ、「でも、地雷を触ることもなく帰るのは…」と、ためらっていました。 自分自身の考えも変ってきました。地雷原の隣りであれどこであれ、働いて、飯食って、誰かを好きになって──とにもかくにも「生きよう」としている人達の姿を見ていると、「自分は何をしようとしているのだろう?」と感じるようになりました。 …とまあ、理屈ではそう考えるんですけどね。やっぱり、撤去をやりたいと思ってここまで来ましたし、「こんな中途半端なまま、おめおめ日本へ帰れるかい!」ってそんな気持ちもかなりありました。が、現実的にはなんのあても無く、いたずらに時間だけが過ぎていきました。 地雷博物館の館長から「地雷撤去に行くから、一緒にどうか?」と誘われたのは、そんな時でした。過去、館長の地雷撤去に同行した外国人はいました(撤去作業に参加した人もいた)し、僕も地雷博物館にいる時、何度か「思い切って頼んでみようか」と思いました。 ただ、地雷博物館は何かと当局から難癖をつけられていて(役人が賄賂をせびる目的で)、館長自身、難しい立場に立たされています。「地雷原に行く」という事は、もちろん命に関わることですし、外国人をそういう場所に無許可で連れて行く事は、違法でもあります。 それだけに、この話が出た時は、すごく嬉しかったです。「撤去が出来るかどうかは分からないけれども、とにかくそこまで行ってみよう!」─そう思い行く事に決めました。 館長・僕も含め、総勢四人のメンバーで出発。 「とにかくそこまで行ってみよう」雨季に入った今の時期、カンボジアの道路状態はすさまじいものがあります。こっちの大きい道路は、高速のように直線に走ってることが多いのですが、道が穴だらけなので、結局クネクネと蛇行しながら走らないといけません。そんな道をシェムリアップからバイクで四時間ほど走り、暴れ馬のごとく跳ねるバイクから落ちそうになりつつ、タイ国境近くのアンノンウェイ村に到着。 しばらくシェムリアップにいたので、改めてこちらの田舎のシンプルさに驚きます。それはもう見事なくらいに何もありません。辺りはすごく静かで、なんだか地の果てに来たような気分になります。 村に到着してすぐ、村人から「畑から不発弾が出てきたので処理してくれ」と頼まれました。現場に行ってみると、田圃の中にロケット弾がごろんと転がっています。見つけた時の状態等を聞いた後、館長が処理にかかりました。(U) |
人民新聞社
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