人民新聞

意見特集

  辻元逮捕は異端排除の「魔女狩り」だ!  

辻元追い落とし NO! 弱い者イジメの警視庁 NO!

2003年 7月25日
通巻 1151号

 今回の逮捕劇を通して、辻元氏が政権党にとっていかに危険な存在であったのかがわかる。辻元氏逮捕の目的は、衆議院の解散・総選挙が具体的日程にのぼり、彼女の手足を縛ることであったことは明白だ。我々は、市民運動出身の辻元氏逮捕に、国民の政治参加や行政監視を抑え込む「暗く危険な体制」の到来を予感する。社民党への攻撃の後、狙われるのは私たちである。
 辻元氏逮捕後の社民党の姿は無様と言わざるを得ない。こうなったら小手先の対応をやめて、「危機を好機に転化すべく」、権力弾圧との正面切った闘いとして闘うべきだ。    (編集部)

彼女一人を闘わせてよかったんだろうか  (高槻市 Y・S)

◆「社民党つぶし」というよりは地元・高槻の市民運動への弾圧 (高槻市議 松川やすき)

社民党に愚痴っていても仕方ない 市民の力で反撃を! (高槻 M)

小心・小泉の本性見たり  (大阪 鈴木)

不当弾圧と断固闘う姿勢がない社民党は情けない (高槻 村山良平)

「詐欺」を口実とした「口封じ」だ  (大阪 A)

もう一度立候補して欲しい (大阪 N・I)


彼女一人を闘わせてよかったんだろうか 

▼高槻市 Y・S

 すべては、あの衆議院予算委員会で、「総理、総理、総理」と舌鋒鋭く小泉首相に迫った時から始まったのだろうか?
 思い起こしてみれば、あれは総理の「集団的自衛権」の解釈について問い糾した時のことだった。
 あの時は、まだ「集団的自衛権」という言葉を持ち出すだけでも反発が起こった。あれからどのくらいの時がたったというのだろう。今、総理や与党の政治家には『タブー』という言葉が一切なくなっているのではないか?と思える程、「軍隊」だの「ミサイル防衛」だの、TVでニュース番組を見ていても、「これは一体どこの国のニュースだろう?」と唖然とする。
 辻元さんは万能ではない。確かに、よく言われるように「脇が甘かった」ということもあるだろう。しかし、彼女が一番貢献していたこと、それは世間の目を政治に向けたことだった。政治家は、問題の本質をはぐらかす術にたけていて、「個人情報保護」「イラク支援」などの法案も、その言葉だけを見ていると「いいんじゃない?」とつい思ってしまいそうになる。
 今、この時彼女が国会にいて「こんなんおかしいで」と言ってくれたら、もっと多くの人がその本質の危うさに気づいてくれたのではないかと思う。そしてそのことが、彼女が追い落とされた原因ともなったのだろう。
 今回の辻元逮捕の一報を受けて、今更ながら「権力の側にいる者と、そうでない者」との差を思い知らされた。それに、小さなことも鬼の首をとったように大騒ぎして、警察発表をそのまま無批判に垂れ流すマスコミ。「人の不幸は蜜の味」ということだろうか。一度目立っていた人が何か起こすと、マスコミは徹底的に叩く。そして、人の範たるべき政治家が率先して弱い者イジメをし、自分の利益ばかりを追求していながら、少年犯罪が起こった時、どの口で「親が悪い、教育が悪い」と言えるのか。
 去年の四月、参考人質疑の時に、「私の責任でやりました」と語る姿を見て、「彼女ひとりを闘わせておいてよかったんだろうか?」としみじみ思ってしまった。以前に何かの記事で「代表質問をする時は本当に怖い。前の晩は眠れない。でも、日本中のみんなの怒りが私の背中を押してくれている」と語っているのを読んだことがある。しかし、彼女に期待する私たちは、一体何をしていたのか?デモに行ったり集会に参加したり、ビラ撒きをしたり、色々な行動には参加していても、今までと同じことをしているだけでは、この大きな流れに押し流されてしまう。
 辻元さんが逮捕された今、そのことをもう一度問い直さなくてはならないのではないか。今私たちに出来ることは何かを。そしてひとりひとりが、今いるところから更に一歩踏み出して、マスコミが黙殺出来ないような大きな流れを作り出すことが出来なければ、私たち市民に明日はないのではないか、と思う。   To the Top

「社民党つぶし」というよりは地元・高槻の市民運動への弾圧だ

▼高槻市議 松川やすき

 総選挙を前にした辻元さんの逮捕には、政治的な意図を強く感じる。辻元さんは罪を認めて任意の事情聴取にも応じ、お金も返していたと聞いている。常識的に考えて証拠隠滅も逃亡も考えられないわけである。警視庁が「捜査に時間がかかった」というのであれば、むしろ警視庁の捜査能力に疑問を持たざるを得ない。警視庁はなぜこの時期に逮捕に踏み切ったのか、説明する責任がある。
 私が辻元さんを支持し、高槻市議選で応援をお願いしたのは、彼女との反戦運動であったり、国会に新しい風を入れようとした彼女の行動に共鳴したからである。この立場から今回の逮捕を見ると、「社民党つぶし」という側面よりも、高槻市民が辻元さんと共に地域と国政を変えようとした声や運動に対する弾圧だといえる。
 私のところへも、様々な市民の声が寄せられている。「警視庁には腹が立つ」「辻元さんが可哀想だ」という多くの声だ。高槻では、「次の選挙には立候補して欲しい」という声が強かったので困惑しているようだ。
 私自身、今回の逮捕は、高槻市民運動への弾圧だと捉えているので、これに抗してさらに大きな市民運動の発展を創りだして反撃していきたい。

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社民党に愚痴っていても仕方ない   市民の力で反撃を!

▼高槻 M

 高槻市民の多くは、今回の辻元逮捕を「選挙に出させない為の政治弾圧」ととらえていると思う。辻元氏は政治不信を抱いている多くの市民の声を糾合する力があり、幅広い人々からの共感と人気を持っていた。これをつぶしたかった、というのが逮捕の本質ではないか。単に辻元個人や社民党への攻撃というよりも、その背後にある政治不信層や市民運動との結びつきに向けられているように思う。
 支持者の多くは、この露骨な選挙妨害や検察に対して怒っており、辻元氏にこの弾圧を跳ね返し、獄中からでも立候補して欲しいと願っている。しかしながらこうした声の受け皿が不明である。
 その怒りを真っ向から受けとめ、「この逮捕は社民党への、辻元と共に闘った市民への政治弾圧である。辻元清美はもう一度立候補する」と言い切って抗議を呼びかけ、運動化すれば、逆風を跳ね返す大きな動きを作り出せたかもしれない。にも関わらず社民党にはこの弾圧にどう抗していくかという姿勢がなく、責任問題や釈明に明け暮れているのが現状だ。その現状こそ社民党の危機といえる。
 とはいえ、今さら社民党に愚痴っていても仕方がない。できるところから、できることから反撃していかねば、私たち自身の敗北につながっていくのではないかと思う。

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小心・小泉の本性見たり

▼大阪 鈴木

 よっぽど辻元さんが国政の場に出て来るのが困るらしい。一年半も「捜査」を引き伸ばし、「逮捕」をちらつかせ、脅しながら活動を「封じ」込めてきたつもりが、失敗したということなのだろう。ほぼ秋には選挙が予想される。選挙を目前にした敵の実力行使「辻元氏逮捕」は、露骨な選挙妨害、辻元つぶし、市民運動への弾圧だ。小心な小泉政権の本性見たり!である。
 辻元清美さんはマスコミ受けするキャラクターで、国政を私達庶民にとって身近なものにした。それは、普通の人々の市民感覚で国会の場で発言し、活躍することが可能であることを証明した。「アホで偉い先生達が繰り広げる」政治のひどさにウンザリしていた多くの人々にとって非常に新鮮で、民主主義の可能性を諦めかけていた人々の心を再び呼び起こす機会にもなった。それは国政に対する人々の積極的な行動を作り出すことに当然繋がっていく。
 小泉政権は積極的な意思を持って国政に関心を持ち、行動しようとする国民が増えていくことが困るのだ。なんぼ飲み屋で『政治家のアホ。バカヤロウ』と憂さ晴らししてもらう分には構わない。「選挙など糞食らえ!」と棄権する人が増える方が、むしろ好ましいことなのだ。国会は「アホな先生方の棲む伏魔殿」であり続けるほうが良い。間違っても多くの人々の目線にまで降りていったら威厳失墜、人々を騙し続けることも難しくなり、困るのである!
 何度も言う。辻元清美さんへの脅しは、従来の政治の枠をはみだして前進しようとする人々の活動への脅しである。

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不当弾圧と断固闘う姿勢がない社民党は情けない

▼高槻 村山良平

 今回の逮捕には政治的な作為が感じられるのは当然であるが、それにしても社民党の対応は情けない。「辻元氏逮捕」という事態への危機管理能力が全くなかったのはまだ許せるとしても、権力からの不当な弾圧には断固闘う、という姿勢が見られない。内部から土井退陣要求まで出たのには驚いた。土井さんに対して多少の不満があるにしても、今は権力から攻撃されているのであるから、批判を持っていても、今は黙っているべき時だ。長野県連が辞職要求をしているが、ここは黙っておくのが最低の仁義だと思う。

「詐欺」を口実とした「口封じ」だ

▼大阪 A

 ここ一週間ぐらい、新聞テレビのニュース等を見るのが苦痛でした。しかし、そんなのんきなことも言ってられないと思いなおし、ペンをとりました。
 今回の辻元さん等の逮捕は、どう考えても不当です。この法律が、どんな経過で作られたものか知りませんが、国会議員の政治活動を補助する為の制度であったと聞いております。秘書給与サギというのは納得しかねます。公設であれ、私設であれ、秘書は国会議員の補助的な仕事をする以上、法律の趣旨に沿った使い方であったと思います。だからこれは「詐欺」を口実にした「口封じ」だと思います。
 昨年、国会で政権内部の腐敗を鋭く追及して暴露し、多くの国民の信頼と希望を集めていた辻元さんに対する口封じが目的だと思います。
 次に、逮捕の時期が今秋の総選挙を目前にしてやられたのは、辻元さんの出馬を不可能にさせ、政治生命を奪い取り、同時に社民党潰しを狙っていると思います。そして辻元さん支持者をはじめとし、政権内の腐敗を指摘する人々、アメリカ追随の政策に異を唱える人々、更に民主主義を守る闘いに参加する人々をも含めた「口封じ」と「見せしめ」を狙った大芝居だと思います。そして更にマスコミも動員して、この反動的な計画を成功させ、イラク支援法というよりアメリカ支援法成立の露払いを済ませて、哄笑している権力者共の実態が見えてきます。今回の逮捕は、どう考えても不当で、腹が立ってなりません。

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もう一度立候補して欲しい

▼大阪 N・I

 逮捕されたことを聞いて「なぜ?」と、とても驚きました。他にも捕まらなければならない人は一杯いるでしょう。ほとんどの議員が同じようなことをやっていると思います。彼女はいつもはっきりと意見を述べていたし、自分たちに近い庶民的な人だという親近感もありました。
 やはりもう一度立候補して欲しいです。弱い者イジメはやめろ!

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