カンパ闘争の重要性

和歌山・ウッドペッカー

2003年 1月25日
通巻 1133号

 最初、カンパの依頼を労働運動側からいただいた時、私はまだ就職もせず、あくまで歌で世の中を変えるんだ、という思いに固執していた。
 金銭は、ただ人間の手から手へ巡回するだけ、人間の欲求を満たす生産物は、あくまで労働力によって生まれるというのが持論だったから、歌さえ提供していれば、労働運動の宣伝にもなるし、オルグもしやすいだろうと、カンパ闘争の重要性を甘くみていた。
 しかし予想以上に労働者階級は、金銭を要求している。彼等の下層は赤字状態が多く、赤字状態でも社会からの強制力が働かなければそれで良いのだが、他人から借金をすると請求書をつきつけられ、また支払いを不履行すると、罰則が待っている。社会が金銭を要求している限り、個人で「俺は金銭なしでやっていこう」というのは、はっきり言ってキレイ事だ。また、カンパ運動を続けるうちに、その運動の難しさもわかってきたし、カンパ可能な労働者は、不可能な労働者へ合理化される場合が少なくない事もわかってきた。

[ 「言わせて聞いて」へ戻る

人民新聞社

このページは更新終了しております。最新版は新ページに移動済みです。