アメリカが戦争に走るのは弱さの証明

　「人民新聞」編集部、そして全国の読者の皆さんに新年祝賀のあいさつを送ります。
　この1年「人民新聞」を通じて多くのことを知り学ぶことができました。特に闘争精神に絶えず大きな刺激を与えてもらったことに心より感謝致します。
　それにしても異様な惨憺たる世界状況になってきています。世界で唯一の保安官、ブッシュが悪酔し、拳銃をやたらと発射させ、当たれば即ち「悪」「テロリスト」「ならず者」と宣言されるような理不尽なことが堂々とまかり通っています。
　世界平和を目ざし設立された国連もアメリカ政府の付属機関、アメリカの侵略戦争を正当化する機構となり果てました。
　大国といわれる国々もアメリカの横暴を“触らぬ神に祟りなし”と傍観しており、発展途上国の多くも意見や怒りを持ちながらも結局はアメリカの顔色を窺い息を殺している有り様です。
　そのアメリカに最も忠実な手先となっている小泉内閣はアメリカの外圧に舞いあがり、自衛隊の海外派遣どころか、明確に参戦を目ざし歴史に逆行しています。その小泉に真っ向から対抗、対決していく野党すら存在しない政界には何の期待も抱けません。
　どれだけ厳しく、激しく朝鮮を批判し糾弾するのかが、マスコミ、学者、評論家の良心、人権感覚を示すバロメーターの如くなっています。
　政治、経済等国政の行き詰まりにはなすすべもないまま、昂まる国民の怒りを異常な朝鮮叩きで解消させ、朝鮮排外主義を煽るなどアメリカと共に朝鮮戦争を明確に射程に入れはじめた気がします。
　しかし冷静に考えて見れば、アメリカ帝国主義が「バクチ、金融操作」では巨大な利潤の確保が難しくなったということであり、軍需、石油産業の要請に応え戦争でもってしかアメリカの支配、世界秩序の維持ができなくなったということです。即ち、アメリカの強さではなく弱さの証明であり、現代世界が抱える根本矛盾の全面的な露呈であるといえます。
　アメリカブッシュ政権の横暴、そして公正さを欠き、弱肉強食が支配する現世界秩序と闘いながらも、日本や世界の新しい在り方、人間的未来をどのように構築、創造していくのかが問われる時代を迎えたということでもあります。
　かつて第2次大戦が歴史に残したわが国の血の教訓は、如何に政府、軍部、マスコミが挙国一致となり、絶対多数の国民の支持、賛同を取りつけ、それがどれほど狂信的であったとしても、それが必ずしも正義や真理ではないということです。むしろ弾圧され、拷問され虐殺された極ひと握りの非国民にされ、アカといわれた人々の手の中に、貴重な正義、真理、平和というものが握られていたということです。
　昨今の異様な社会政治状況に舞いあがることなく「人民新聞」はより冷静に、より歴史的に、展望的に時代を考察し、アメリカ帝国主義の悪辣な意図を見抜き徹底的に暴露し近隣諸国との平和と安全、共存共栄の道を探り、敢然と突き進むことにより労働者人民大衆の未来を照らす灯として、闘争と変革の旗印としての使命を遂行していってもらいたいと願い、強く期待しています。
　私もこの春には、10年以上の服役となる下獄になると思いますが、いつ、どこにあっても「人民新聞」の正義の闘いと連帯して、自分が可能な全ゆる手段と方法で闘争し続けていく覚悟です。「我々は明日のジョーである」という故田宮高麿達との固い誓を胸にです。「人民新聞」編集部に心からの敬意を表しながら

2003年元旦