総務省、京都簡保事務センターで刑事弾圧

江端氏のデッチあげ逮捕狙う
郵政・警察

京郵労簡保分会・菅野拓

2002年 9月25日
通巻 1122号

「発狂15周年」ビラまきに暴行

 舞台となった京都簡易保険事務センターは、鉄筋5階建ての体育館もある大きな事業所で、近畿中国の郵便局の簡易保険事務を扱っています。本工500人、非常勤100人、下請労働者100人(いずれも概数)が働いていますが、本工のほとんどは全逓が組織しています。
 事件は今年の4月9日に起こりました。15年前、全逓青年部役員をしていて職場の慣行剥奪を巡る当局の陰謀により停職6ヵ月の不当処分を受け、ために「発狂」して職場を去らざるを得なくなった江端一起氏は、以後も事あるごとに元の職場を訪れて、京郵労簡保分会(組合員1人)のビラまきと共闘し、拡声器を引っさげて、当局のさまざまな非を徹底して暴く抗議行動を続けていました。そんな中、この4月9日は「発狂15周年」の記念として、江端氏自身の独自ビラ配布行動を思い立ちました。
 ところが、これに当局の労務屋の方が見境のない暴力をふるい、江端氏を叩き出すというビックリ仰天の非道に出てきたのです。当日の朝7時半、江端氏は京都簡易保険事務センターの建物前で拡声器片手にビラ配布を始めました。この場所は公道から50メートルくらい入った企業の敷地内ですが、外来者は誰でも入れるところで、今や御用組合となった全逓支部執行部もまた、奇しくも同じ場所で同じ時刻にビラをまいていました。そこへアッという間に沸いてきた総務課長以下の労務屋は、5〜6名で横一列に隊列を組むと、何と「よし行くぞ」の掛け声もろともに、文字どおり江端氏を突き転がし、突き飛ばし、足蹴にし、植木に放り込み、50メートルの通路の彼方の公道まで放り出してしまったのです。後方支援の労務屋は10人以上おり、当局の方が徹底した武力行使に出たのです。


郵政当局が臆面もなく逆告訴

 さらにその先です。自らが手を出した暴力事件なのに、当局は臆面もなく江端氏を下鴨警察署に告訴したのです。事件直後にパトカーと黒バイと私服を乗せたワゴン車が到着しましたが、警察官は現場にいた江端氏に対しては一言も声をかけず、労務屋の話だけを聞いて帰りました。先ずここが恣意的です。そして事件から4ヶ月以上たった8月末には警察は実況見分を行い、労務屋たちを当日の配置に付け、大きな背番号札を着用させて写真を撮るという念の入れようで、明らかに身柄確保・起訴という徹底弾圧を狙っています。告訴罪名のうちの器物損壊は、労務屋たちが江端氏を植木に放り込んだ際に木が折れたのが真相で、まさにデッチ上げの見本です。
 4月9日帰宅した江端氏は、労務屋たちの暴行で横になっても眠れないほどの体の痛みを覚え、医者に行くと「左肩捻挫、肩腱板損傷、左膝・両下腿打撲」で全治2週間の診断。それから1月以上リハビリに通うことになりました。江端氏こそが本当の被害者なのです。


支える会結成─迎撃体制準備

 事件の背景は、2つあります。大きな方のひとつは、江端氏の抹殺。精神病者の患者会運動にあって、生活の場で(ここが大切)必死に闘う売名や利権と一切関係のない生き方は、あらゆる運動を取り込んで「民主主義」を仮装し、さも「当事者」が決めたかのように全ての悪事を取り運んで行こうとする権力の側にとって、目障りこの上ない存在です。
 そして、もうひとつは職場での抵抗の排除。郵政部内のほとんどの労組が、御用組合全逓の後追いをする形で、職場では闘わない路線に変節していっています。おかげで官僚たちは汚職や天下り利権など腐敗のし放題。そんな中で京郵労簡保分会は、「暴露こそ反撃の第一歩」を念頭に、不十分ながら出来る限りの紙爆弾(ビラ)を敷地内で配布する闘いをしてきました。だからこそ、江端氏の抗議行動に労務屋たちがなりふり構わぬ暴力をふるい、これを刑事事件に仕立て上げ、ひいては職場のビラ配布そのものを禁圧してしまおうと狙っているのです。
 このたび刑事弾圧をはね返すべく、「江端さんを支える会」が管理職ユニオン・関西賛助組合員の河野守さん(大阪城東郵便局)の呼びかけで作られました。今後の活動など、ぜひ同会までお問い合わせください。江端氏への激励もいただけるとうれしいです。


▼E-mail: syori2002@hotmail.com

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人民新聞社

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