楽観もせず悲観もせず、
日朝首脳会談後を注視

京都・S

2002年 9月25日
通巻 1122号

 今回の小泉の北朝鮮訪問は、さまざまな意見があるだろうが、全体的にみて判断すればカッコ付きであるが評価できると思う。なぜなら、「悪の枢軸」の一つ、もちろこれはアメリカの勝手な言い分だが、とにかく話し合いの場に引き出し、拉致問題や「不審船」を、初めて北朝鮮の金正日が認め、しかも「謝罪」までしたことだ(責任転化は明らかだが)。
 それと、安全保障の問題も。日本のマスコミ報道は、明らかに片寄っている。拉致問題が全面に出過ぎて、事の本質をぼやかしているように思える。誤解を恐れずに言えば、感情論が先行し拉致家族に依拠した報道の洪水だ。もちろん、家族の心情を想えばデタラメな「生死」報告や、外務省の官僚のいいかげんな対応に抗議するのは当然だとは思うが、事は世界史的な外交なのだ。それに37年間の日帝の植民地時代に何十万の朝鮮の民衆が惨殺されたことか。その「不幸な過去」も胸に刻むべきだ。いずれにせよ、今回の小泉外交は「始まりの、始まり」だといえよう。今後の成りゆきを注視したい。楽観もせず、悲観もせず……。

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人民新聞社

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