フーリガン対策なんて
どうでもよかった

兵庫・機動隊の治安訓練に反対しじっと見守る会

2002年 9月25日
通巻 1122号

 東京で久しぶりに有事法制・住基ネット反対、アメリカのイラク攻撃反対の集会とデモに参加した。
 ところが、久しぶりにご対面した我が警視庁機動隊は、まるでアニメのガンダム等に出てきそうな、きらびやかでピッカピカな制服に変身していた。ピカピカの楯やヘルメットはもとより腕周り・胸当て、そして靴まで、身に付けるのが恥ずかしいようなすばらしい格好である。
 かつて我々のジグザグデモと鋭く対峙していたころの、楯はへこみ、服は汚れてズブズブで、汚れが染み付いた靴といったある種哀れらしく、デモ隊のファイトをかきたててくれた機動隊の姿はもうどこにもなかった。
 去年?「短機関銃」とやらが導入され、機動隊が「敵対分子には死すら強制してもかまわない」と宣言し、今年の春、サッカーW杯での「フーリガン対策」として、開催地域を中心に全国各地で爆竹や花火、偽装デモ隊まで動員して華々しく治安訓練を開始してより、今やっとその本来の目的を私たちの眼前に登場させたのである。
 この機動隊の装備の拡充の目的は、もはや誰の目にも明らかである。
 政府の一部が世論攪乱のために盛んに流す「臨時国会での有事法・個人情報保護法案の見送り」とは裏腹の、民主党と一体となった有事3法案の正面突破強行成立や、アメリカによるイラク侵略戦争の接近、そして9月17日以降吹き荒れる北朝鮮バッシング排外主義の嵐のためにこそ、私たちの血税を惜しみなく投じて拡充整備したのだ。
 だが新装の彼ら特に若手機動隊員は、まるでロボットのように動きがギコチらないものだった。
 そしてデモ隊からの「あんたの胸やけに膨らんでいるね、手榴弾でも入れてあるの?」といった一部の揶揄的な問いかけに対し、彼らにとって絶対的な禁じ手である「無視・沈黙」を忘れて、思わず「水筒です」と対応する若手もいた。最後には誰かが発した「お前らイイカッコしているな、それで何億円のみんなの血税を使ったんだ」の言葉に対し、警視庁警備指揮車から思わず「ここはじっと我慢して耐えてくれ」との言葉がマイクを通して飛んできたのである。「あれは私たちの願望だったのかな」と、思わず耳を疑ってしまった。
 しかし、間違いなくフーリガンが来ても来なくても、全国的に各県警察機動隊の治安訓練はなりふりかまわずに強化・恒常化されている。警察国家化の先は戦争であることをよく肝に命じて、断固たる闘いを継続して行きたいものである。
 有事3法案の廃案、個人情報保護法案・住基ネットを今こそ葬り去ろう!

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人民新聞社

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