「9・11」後の空港はいま
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泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会議 |
2001年 11月15日
通巻 1093号
アメリカの「9・11」事件から2ヵ月、そしてアフガンへの空爆開始から早5週間になる。ニューヨークのビル崩壊現場からアフガン原野へと視点が移り爆撃による民間人犠牲者が増えるにつれて、当初のテロリスト掃討を掲げた「仇討ち」攻撃は今や変質し、長期化の様相を呈し始めている。 アメリカはいま、ベトナム戦争同様出口のない泥沼に足を踏み込み始め、戦闘のための戦争と化したこの無差別攻撃にはもはや正当性はなく、どこから見ても無意味な許されない「いくさ」であることは言うまでもない。この戦争が、文明の断層帯で起きると予知された「文明の衝突」だとしても、世界支配を我が物顔で押し進めてきたアメリカの利権・覇権等がその根底に根づいている限り、これらを解消せずして問題の解決はあり得ない。 折しも、アメリカバブル崩壊も時間の問題と言われていた矢先の9・11事件〜戦争突入で、その影響は各方面に及んでいる。とりわけ、旅行・観光・ホテル業界はもろにその余波を受け、中でも航空業界はすでに数社の倒産や廃業を含め深刻な影響を受けている。湾岸戦争以来の航空危機は全世界に及んでいる。必然的にそれは「空港」にも当てはまることであり、乗り入れ撤退や旅客・貨物減少による収益減、また警備の強化等による出費などで、軒並み業績の下方修正を余儀なくされているのが実態だ。 大不況下のこの国では国際線主体の成田空港で顕著に現れ、9・12〜16の5日間だけでも欠航便は北回りを中心に752便に達したという。さらに10月に入っても出国旅客数は対前年比30%減、切り替わったばかりの冬ダイヤも対前年比31便減/週と尾を引いている。 関西新空港の場合も同様であり、事件後1ヵ月間で減収額は10億円、発着回数は8割減、出国者数も前年同期比3割減、そして現在でも1日3000万円の減収が続いているという。普段でも何でも高すぎて儲かっていないのに、まさに「空港会社上がったり」の状態に拍車が掛かっている。 空港島での警備の物々しさは今も続いており、島へ近づく人が減った分だけ「制服」がやたら目についてしょうがない。また事件直後、手作業に頼っていたカウンター前の手荷物検査も、今はいかつい金属探知機が導入されて、威圧感もより増している。 (後略、見出・編集部) × ▼泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会発行「おにおん」No.100より/連絡・TEL0724―83―7291 |
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人民新聞社
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