9・11テロ事件とNシステム |
2001年 11月5日
通巻 1092号
9・11事件とその後の内外の展開については、さまざまな情報(実は偏りがちのようですが)に基づいた議論が出されているようです。ここでは、Nシステムなど「監視体制」の面で触れてみたいと思います。 第2のオウム「効果」? テロに対する危機感は、どこの国の権力にもいつも同質の行動をとらせるものだ、ということを9・11事件は教えてくれています。 イラストは、11月16日付日経産業新聞1面トップ記事ですが、アメリカが空港での危険人物のチェックやネットの監視でテロを未然に防ぐハイテク技術導入強化に動き始めた、というもの。早ければ10月中にも米主要空港の1つに「バイオメトリスク」技術が導入される見通しだと言います。 「フェース・ファインダー」と呼ばれるこの技術は、顔の特徴をNシステムに似た仕組みでキャッチし、データーベースに入力してある危険人物のものと照合し数秒で判定するといわれています。また他のメーカーもアメリカ以外の空港に同様のシステム売り込み、設置され初めています。ベルトなどにつけて持ち運べる簡便な監視システムも開発中だといいます。 6年前にわが国で暴発した「オウム」事件は、最大の置き土産としてNシステム大増設を残し、国民監視体制を大きく前進させました。政府は同事件を最大限に利用したといわざるを得ません。 人権制約には慎重と思われていた米政府ですが、この9・11事件を機にあたかも日本のあとを追うような動きです。こうなれば、もとより対米追従イノチのわがK首相のことですから、一層の「監視体制」強化に踏み切ることは間違いないでしょう。「第2のオウム効果」とばかりNシステムや類似の設備・手法や電子メール等も含む「本格盗聴」まで、一気に推進させるつもりだと思われます。 わが国の「危機管理」体制は遅れている、と阪神大震災や地下鉄サリン事件の際、警鐘が鳴らされました。しかし、9・11事件以後の対応を見ていると、それは「遅れている」どころか拙速に過ぎます。つまり「遅れ」が時間と捉えられ、質の問題だとは考えていないかのように思われるわけです。 Nシステム訴訟控訴審判決なども、警察には“追い風”と捉えられそうですし、「拙速」に拍車がかかると考えられます。いまや、いっそう私たちの奮起が求められています。 ▼一矢の会発行「Nシステムニュース」第20号より/連絡・tel 03―3780―0993
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