小樽市長から、「戦争非協力・

小樽港の平和利用に関する申し入れ」への

回答がありました

2001年 10月25日
通巻 1091号

 私たちは、小樽市の山田市長に9月26日、「小樽市の戦争非協力と小樽港の平和利用にかんする申し入れ」をしましたが、10月18日、その回答がありました。10月19日、《『報復戦争』を許さない市民抗議行動》として、市民討論集会と在札幌アメリカ総領事館へのデモを行い、ブッシュ大統領への抗議文を手渡しました。
(米空母に反対する市民の会・佐藤正人)

【質問(1)】
 多くの日本の地方自治体(地方政府)が戦争非協力・戦争反対の意思をすみやかに示すことは、日本政府の戦争協力(参戦)策動を阻止するのに大きな役割を果たすことになると思います。小樽市長は、地方自治体(地方政府)の長として、戦争非協力の意思を明確に示すとともに、政府にたいして戦争協力(参戦)策動に反対する意思を具体的に示して下さい。とくに、自衛隊派兵の新法制定、自衛隊法改悪、有事法制制定、平和憲法改悪策動の中止を政府に求めて下さい。
【回答】 多くの市民の犠牲、大規模な被害、破壊をもたらしたアメリカへのテロ行為は、世界各国から厳しく糾弾されるのは当然のことと考えております。また、日本国憲法第9条に、国際紛争を解決する手段としての戦争や武力行使は「永久にこれを放棄する」と規定されており、これを遵守しなければならないことも当然のことと考えております。新法制定や法改正に当たっては、国政の場において、日本国憲法の理念に基づき慎重な議論がなされなければならないと考えております。


【質問(2)】
 9月21日、アメリカ合衆国空母「キティホーク」が、ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルパー」、駆逐艦「クッシング」、ミサイルフリゲート艦「ゲーリー」、輸送艦「ラパハノック」とともに横須賀港を出港しました。このとき、海上自衛隊艦船、海上保安庁艦艇、100隻が護衛しました(それ以前に「ビンセンス」と「カウペンス」が横須賀出港)。9月22日には、強襲揚陸艦「エセックス」が、海上自衛隊艦船、海上自衛隊対潜水艦ヘリコプター、海上保安庁艦艇に護衛されて佐世保港を出港しました。このことは、「キティホーク」などのアメリカ合衆国海軍の艦船が戦争の道具であるというあたりまえのことを示しているだけでなく、海上自衛隊の艦船もまた戦争の道具であるという事実をはっきり示しています。小樽市長は、小樽港を平和目的以外に使用させないという意志を、明確に示して下さい。
【回答】 キティホーク等の米軍艦船が横須賀港を出港したことについては報道等で承知しておりますが、これまでの小樽港への寄港については乗組員の休養、物資の補給、給水を目的としていることから、港湾管理者として港湾施設の使用を許可してきた経過があります。今後も艦船の入港については、入港時の安全性、港湾当局への影響を考慮するとともに、核兵器搭載の有無についても国、在札幌米国領事館に照会を行い、慎重に判断していきたいと考えております。また、小樽港は商業港としての発展を期すものであり、軍港化する考えはありません。


【質問(3)】 
 世界各地で、アメリカ合衆国の「報復戦争」に反対する運動が始められています。私たちも、民衆・市民としてこの運動をともにすすめていきますが、小樽市長も日本と世界の各地における反「報復戦争」の動きをつかみ、その情報を市民に伝達するとともに、アメリカ合衆国下院のバーバラ・リー議員の姿勢を学び、率先して日本の一地方政府の長として日本と世界の各地の自治体の長とともに、「報復戦争」に反対する政策を模索し、実行してください。
【回答】 テロ根絶のため、また、テロに対する報復措置については、国連安全保障理事会などの場において十分な議論を踏まえ、理性に基づいた問題解決を図ることが望まれるところであります。米軍の行動に関する情報については、新聞、テレビに頼るところが多く、今後の米軍の行動、これに対する日本の関与の仕方について、注意深く見守りたいと考えております。


【質問(4)】
 アメリカ合衆国政府の「報復戦争」発動と日本政府が進めている参戦策動をおしとどめ、9月11日事件の原因とその真の解決の道を市民がともに考え、討論する市民集会を、小樽市が主催して緊急に開催してください。
【回答】 テロの根絶と世界の恒久平和は永遠の課題であると考えておりますが、市主催の集会を開催する予定はありません。

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