NTT10万人リストラ計画ほどえげつないものは無い。会社は「赤字」「赤字転落の危機」を騒ぐことによって、労働者にリストラ計画を飲ませようとしているのは明らかだ。しかし、会社は何ら会社経理の実態を労働者の前に明らかにしていないことも事実だ。
NTTが持ち株会社体制に移行してから、費用負担の大半を東西地域会社に委ね、NTTコムは国際通信に参入するため負担を軽くするようにつくってきた。こうした中で、東西地域会社の経営状況は過重負担ともいうべき中で急速に悪化させられてきたのである。
持ち株会社は、 グループ会社の株を100%支配することを通じて子会社に対する支配を徹底する中から利益の吸い上げを行い、「儲かるところへは投資を拡大、儲からないところは更なる合理化」を強制しているのだ。
利益を隠し、労働者を攻撃
2000年度の東日本の負担金を見てもわかるようにあまりにも巨大な額を負担させられている。経営者が言うように本当に「赤字」なら、こうした負担金を軽減(体力に見合った額)する手立てを講じるのが最初だ。何も収益をあげる手立てを持たない持ち株会社が「1000億」もの「利益」を上げているところにこそ問題の本質がある。
会社は、今回の「退職・再雇用」攻撃によってコスト削減額は「最大490億」(2003年段階)と試算している。つまり、「費用負担の適正化」と「物件費(年7000億程度)の削減」によって十分クリアできる額に他ならないのだ。
会社は、こうした構造を全く明らかにしないばかりか、あたかも労働者に責任があるかのような今回のリストラ計画を絶対に許してはならない。
何の補償もない「新会社」
新会社は「安定した経営基盤」を持ち得るのだろうか?
これまでも、MEやファシリの設立時には「専門スキルを生かした会社」としてつくられてきた。
しかし「五年間での自立化方針」は、NTTの収支悪化を理由にした受委託費削減、と負担金の増加の中で経営環境を悪化させられてきた。
こうした構造は、新会社においても当然のように強制されることは目に見えており「更なるコスト削減」の名のもとに「早期の地場賃金化」が計られてくるのは明らかだ。
いまもって、新会社の労働条件を明らかに出来ないところは、「生かさず、殺さず」でどうやって新会社に労働者を放り込むのかの判断だけだ。
労働組合として当たり前の「白紙撤回要求!」
電通労組は、今回の提案がなされて以降、「白紙撤回を!」と要求してきました。生活、雇用、労働条件の破壊をもくろむ会社提案を断じて容認することはできません。
「退職・再雇用による65歳までの雇用継続は必ず守られるのか」という組合の質問に対し、「今の段階でそうしたいということであって10年先、15年先のことについて約束できるものではない。会社としてそうならない(経営悪化、倒産など)ようにしたい」と語った。なんと言う無責任な主張なのだ! 会社は、NTTと切り離して新会社をつくり「自助努力」にまかせ駄目だったらそこの「責任」でと知らん顔。
私たちは、無責任極まりない会社提案をどこかの組合のように「前向きに受けとめる」などと語ることはできない。働く仲間のみなさん!電通労組に加入しリストラ攻撃と闘おう!
(電気通信産業労働組合発行「真紅の旗」第224号・tel
022-267-6969)
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