関西新空港反対闘争
泉州現地集会への招請状

泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会

2001年 9月5日
通巻 1086号

 自民党・小泉政権が誕生してから数ヵ月、例の「つくる会」の歴史 公民教科書の登場と歩調を合わせるかのように、小泉本人による靖国強行参拝などが続き、前「神の国」政権に劣らぬキナ臭さを漂わせています。反して、改革「断行」の先取りか、この間の失業率はうなぎ登りに上がり続け、弱者にしわ寄せを押しつける政治が横行しているのは周知の事実です。
 そしてこの反動的な政治は、運輸行政においてもあちこちで見られます。来年の日韓合同サッカーW杯開催に間に合わせるための三里塚暫定平行滑走路建設工事は、東峰神社の立ち木を強行伐採する等なりふり構わないゴリ押し姿勢で進んでおり、また羽田空港では、週数便でこの冬解禁した深夜国際チャーター便が、来春には一挙に70便に増便される等、既成事実化が先行しています。そして10年立っても体をなさない「首都圏第3空港」構想が、いつの間にか「羽田再拡張案」にすり変わり、さらに「羽田国際化」さえも公然と言われ出すなど、まさにペテンに等しい情況になっています。
 一方、小泉の唱える財政構造改革によれば、公共事業見直し論の中で「地方空港の新規事業見送り」方針が国土交通省(旧運輸省)より発表されていますが、約「1県1港」の割合でこの35年間空港をつくり続けて来た今では、その余地すらないのも歴然としています。そしてその「見直し」の実態とは、継続事業は対象外とするなど中身が看板倒れであることも、これまた疑う余地はありません。例えば、静岡新空港などは茶畑が無残にも削られてはいますが、直ちに工事を止めれば決して復元不可能ではありません。現に、出来たものの赤字続きの地方空港は全国各地で見られ、この国の航空行政・空港整備計画のズサンさは、今さら指摘するまでもありません。
 私たちは、そういうデタラメな空港計画を目の当たりにして来た経緯から、今後の航空行政・空港推進策動に抗して行こうではないかということで、この秋11月下旬に大阪で、空港に反対する全国の地元住民が一堂に会して「反空港全国ネットワーク」を立ち上げるために、いまその準備に取り組んでいます。ぜひとも多くの方々の参加を、この紙面を借りてお願いしたいと思います。
 さて、その全国の空港の中の一つである関西新空港は、すでにご存じの通りその存在自体が危ぶまれているという、どうしようもない状況に陥っています。具体的には、巨額事業費のツケが1日1億3000万円の借金返済という形で、空港会社に重くのしかかっています。1期の返済すらままならない状態にもかかわらず、2年前の7月に2期工事に突入したことがますます自らの首を絞めることになり、「儲かりまっか ボチボチでんな」どころでは済まない「火の車」状況になっています。この夏発表された空港会社の「経営改善策」ではこれと言った切り札もなく、とりあえず2期工事費を4500億円削るという「先送り案」でお茶を濁している始末です。
 けれども実態は、事業縮小ごときで問題解決出来るものではなく、韓国の仁川新空港をはじめとした近隣拠点空港との生存競争に勝てなければ、根本的解決には程遠いと言っても過言ではありません。加えて、空港島の地盤沈下は今でも続き、当初予測高さ半分の海抜2メートルまで海面に近づいています。そういう状況にもかかわらず、旧運輸省は羽田行「シャトル便」の陸上飛行導入を今秋11月にもくろんでいますが、原則違反の新たな陸上飛行策動が許されないのは、どの角度から見ても今や明白です。
 こういう問題性を振りまいて来ている懲りない関西新空港に対して、私たちは地元泉州住民としてこの間ずっと「空港反対」の声を上げ続けて来ましたが、目の前の新空港が沈没・破綻寸前であるなら、おなさらその声を強めないわけには行きません。閑古鳥の鳴いている空港島のひどい実態は行ったらすぐわかりますが、その前にまず空港島を真正面に見据える泉南・岡田浦浜で、左記要領で秋の現地集会を取り組みます。
 本集会は、毎秋の「あいば野日米共同軍事演習」へ向かう「米軍関空上陸」阻止・牽制行動も兼ねており、今回は特に、その後に続く「ネットワーク」結成の前段としての位置付けも兼ね備えていますので、多くの仲間のみなさんの結集を強く訴えます!
 なお、遠方からの「連帯メッセージ」も併せて受け付けていますので、左記宛までよろしくお願いします。
■日時/9月30日(日)13時〜
■場所/泉南・岡田浦浜(南海本線「岡田浦」下車徒歩15分)
■主催/泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会


▼連絡先/大阪府泉南市信達市場2661―6/TEL&FAX 0724―83―7291

このページは更新終了しております。最新版は新ページに移動済みです。