核兵器廃絶!「全世界1日行動」からのアピール

あなたは食卓に青酸カリを置きますか

実行委員会・竹林 伸幸

2001年 8月25日
通巻 1085号

 私はかつて「核兵器とは人類の頭上に重くのしかかる雨雲である」と言ったことがある。この言葉には、「雨雲は自然現象で時間がたてば解消するが、核兵器は人類が人為的に作り出したもので、私たちがこれを意識的に廃絶することなしには地球上から消滅することはない」といった但し書きが必要であるにしても、言葉自体は今でも正しいと思っている。
 しかしこれは、今日核兵器とそれを取り巻く環境を説明する言葉としては明らかに不十分であり、これを「私たちが核兵器と並存することは食卓に青酸カリを置くのと同じことである」という表現に訂正したい。
 その理由は大きく言って2つの側面にある。1つは、核兵器保有国とそのサポーター(!)であり、もう1つは私たち市民の側にある。1つ目の側面とはいうまでもなく「暴走族」ブッシュ米大統領と、これをひたすら追走する「盲走族」わが小泉首相である。「暴走」の中身とそのサポーターとのキケンな関係についてはここでは自明のこととして(読者各位の良識と知識を信頼して!)あえてふれず、私たちの側の問題点についてのみ2〜3記してみたい。
 今年の夏も広島、長崎を訪れた。そこには被爆56年という年月を経たにもかかわらず多くの外国人を含む大きな人波が押し寄せ、人々の核兵器廃絶への熱い思いをあらためて実感できた。この思いは広島・長崎を訪れた人に限らず日本列島の隅々、否世界中に「常識にも近い良識」として存在しているのではなかろうか。
 事実、人々に核兵器についてどう思うかとたずねると、「核兵器は悪い、1日も早い廃絶を願う」と口を揃え、「必要悪」と答えるものもまれでなく、ましてや慎太郎のごとき「日本核武装論」を耳にすることはない。しかし、世界の核兵器を取り巻く状況はむしろ厳しさを増しており、世界の良識ある世論もこれに有効なカウンターパンチを食らわせるところまではいっていない。
 どうしてこうなるのか、核武装勢力の力が大きいといってしまえばそれまでだがこと「日本の世論」に絞っていえば次の2点を指摘したい。


 「核兵器廃絶!」と言うだけなら、小泉首相だけでなく歴代の首相はみな広島、長崎の式典でそう言っている。しかし、かれらはみな現実の政策判断では米国の核の傘を選択している。この矛盾、言行不一致に対して世論は実に寛容である。小泉首相の米国のミサイル防衛計画への自主性のない対応、慎太郎の核武装論を見聞しても小泉人気、石原人気が高いのも、世論が政治の実態とかけ離れている点では今後の核兵器廃絶運動の不安定要因になるかも知れない。


 戦後間もなく杉並の主婦から始まった原爆禁止運動や「原爆許すまじ」の歌声は、「燎原の火」のように全国に広がった。今このような大衆運動のダイナミズムを求めても、燎原自体が舗装化されていて無理かもしれない。
 しかし、各人が持つ核兵器廃絶の思いがどのような具体的な運動につながっているのか、とりわけそれが核兵器保有国政府や日本政府に対してなぜ、どのように有効なのか検証してみる必要はあると思う。何よりも大事なことは、「有効である」と結論が出たら(=思いこむ)なら行動に移すことである、そして地球上の核兵器が廃絶されるまで続けることである。

2001年「全世界一日行動」


♪10月13日(土)午後2時(但し、東京行動は別途決定)。
♪世界各地から核兵器保有国政府に抗議行動を呼びかけていますが、今年は米国政府と日本政府に絞ります。
♪具体的には各地での集会、米国政府や日本政府首脳への手紙、米国大使館や日本政府への直接行動です。
♪今年の10月13日は「宇宙の軍事利用反対世界統一行動日」でもあり、両者を合わせて行います。
♪集会の成立要件(!)は3人です、多いほど楽しい! 一緒にやりませんか。問い合わせは下記実行委員会へ。

核兵器廃絶!「全世界一日行動」実行委員会
西宮市弓場町8-30-202 竹林伸幸
Tel&Fax:0798-36-5689 e-mail:Weeds36@aol.com

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