〔意見特集〕テロと報復戦争─あなたはどう思う?

犯人も命を捨てたことを忘れるな

東京・藤本修

2001年 11月5日
通巻 1092号

 何の迷いもなく自分の命を投げ出したテロリストたちが、同時にあんな大勢いたことに驚いた。この行為の善悪を別にして、すごいことだと思った。
 よく、日本の神風特攻隊と比較する人がいるが、あれはあくまでも戦争中のことであり話は別である。もしも、神風特攻隊の隊員に上官が、民間機を乗っ取り、市民を殺せと命じたならば、従ったとは思えない。人の命令で自爆などできるものではない。きっと彼ら犯人の心の中にも、アメリカに対する憎悪があふれていたはずである。そして何よりもアメリカへの攻撃が、自分の命を捧げるにふさわしい「義」であると信じていたはずなのだ。
 なぜ、アメリカから遙か離れた異国の若者が、アメリカをここまで憎悪の対象としたのか、そして、なぜ彼らはアメリカ一般市民を殺すことさえも「義」と信じたのかをアメリカは自己批判もしなくては、必ず歴史は繰り返されると思う。

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人民新聞社

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