〔意見特集〕テロと報復戦争─あなたはどう思う?
アメリカとアメリカ市民は
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米国・城崎 勉 |
2001年 9月25日
通巻 1088号
この国では、今、ものすごくでたらめな論理が横行しています。論理と書いたけど、デマゴギーとか情報装作とかの(厳密な意味での論理から外れた)汚いテクニックも含めてのことです。 まず、このことはしっかりと言っておくべきかと思いますが、当然ながら私も、9・11事件の犠牲者たちに深い同情を感じています。 ただし、ヒロシマ・ナガサキを語るとき、広島・長崎そして日本をあたかも一方体な被害者としてしまうあり方が一面的で危険なものであるのと同様、アメリカ市民とかこの国とかをテロリストの一方的な被害者であるかのように言う論理には、実に大きな問題が隠されていることを指摘せざるをえません。 この国の政府やメディアは、〈無実の市民が多数犠牲となった!〉と騒ぎ立てています。 ある番組で、〈元々軍人とは死をも賭して戦う人間のこと、とすればペンタゴンでの死者の多くは「無実の市民」としてしまっていいのか…〉といった発言者がありました。が、その発言に対してきちんと議論されることなく、圧倒的多数の声という煙幕でかき消されてしまいました。 同じことなのですが、世界貿易センターには軍需関連企業も少なからず入っていたはずですから、こういう人々も果して「無実の市民」というカテゴリーでくくることができるのだろうかと考えてみる必要がありそうです。その昔、ベトナム戦争の頃、米軍基地で働く者はもちろんのこと、米軍用のものを製造している企業で働く者も無関係では済まされない、と問うたと同じようにです。 そして当然、この国が、とりわけ軍や軍需関連企業が他の国々で行っていることを考慮に入れた場合、果たして一面的に被害者というふうに言えるのか、むしろ何故あのような惨事をこの国を象徴するようなところで招くにいたったのかを問わずにはおれないでしょう。 南アのダーバンで開かれた国連の人種会議を中途退場したのがこの国である、ということも考えに入れる必要があるでしょう。そう書くと、〈作戦はダーバンの会議のずっと前から計画されていた筈だからこじつけでは…〉と言われそうですが、決してそうではありません。 人種的偏見を煽っている これは多くの同囚が肯くことなのですが、もし世界貿易センターへの攻撃のようなものがこの国によって他国に対してなされたものであるならば、多くの市民はTVゲームを楽しむが如く拍手していたシーンだということです。その際は当然、ミサイルによる爆撃です。が、かの決行者たちはミサイル爆薬を用いることなく驚くべき破壊力を示したのですから、この国の政府やマスコミがびっくりし、動転してしまうのも無理がないかもしれません。 |
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人民新聞社
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