「えひめ丸」沈没で、アメリカ領事館に抗議行動

  米原潜は日本から出ていけ!

大阪ユニオンネット・関西共同行動

2001年 2月25日
通巻 1069号

 

 2月16日、「おおさかユニオンネットワーク」(全日建近畿地本ら21労組)と、関西共同行動(代表・中北龍太郎)は、米国領事館(大阪市・北区)に対し、原潜「グリーンビル」と「えひめ丸」衝突事故に関する抗議デモを行った。労組員・市民ら約50名は、領事館前で抗議のシュプレヒコールを行い、抗議の申し入れを行った。
 同団体はその後、自民党大阪府本部へ赴き、森内閣の即時退陣を求める要望書を提出。あわせて、辻元清美衆議への悪辣な中傷ビラを自民党議員が国会内で配布した件についての抗議も行った。
 この日は、急遽の抗議活動であったが、マスコミも多数駆けつけ関心の高さを示したが、、自民党府本部は原潜事故に関しほとんど何らの対応もとっておらず、あらためて自民党の対米弱腰姿勢が鮮明となった。
 以下関西共同行動の申し入れ書(要旨)を掲載する。

関西共同行動の申し入れ書(要旨)

米軍原潜事故抗議 アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ殿
駐日大使 トーマス・S・フォーリー殿


原子力潜水艦「グリーンビル」と
「えひめ丸」衝突事故に関する申し入れ

 今月9日にハワイ沖で起きた原子力潜水艦「グリーンビル」による「えひめ丸」衝突・沈没事件は、いまだ行方不明者も発見されておらず、被害者の家族はやり切れない日日を過ごしておられます。
 なぜ「グリーンビル」が安全を確認せずに浮上したのか、この謎はまだ解明されていませんが、浮上の際に操舵桿を握っていた者の中に民間人(素人)がいたことだけは確認されています。
 「グリーンビル」に民間人が多数乗船していたのは、冷戦後攻撃型潜水艦の存在意義を納税者に納得させるための「デモンストレーション」でした。不要になった冷戦型の戦争機械を維持するため、何の罪もない少年や乗組員が犠牲になったことに、私たちはやりきれない思いで一杯です。
 それにしても、この1月に限定したとしても、わが国に駐留する貴国の軍隊の無規律・腐敗ぶりは一体どうしたことでしょう。沖縄では1月に海兵隊員が放火で逮捕状が出たにもかかわらず、その身柄が米軍によってかくまわれ、地位協定を楯に引き渡しが拒否されました。1995年のいわゆる少女暴行事件以後の、起訴前引き渡し「好意的考慮」の約束はどうなったのでしょう。
 基地や演習場を提供して米軍を受け入れているだけでなく、年間数千億円もの駐留米軍のための費用を血税で負担させられている私たちにとって、このように米軍の「不祥事」によって私たちの命が脅かされていることは、とうてい容認できることではありません。
 現在の日本の世論に疎い貴殿に忠告させていただければ、もはや一般国民の米軍への信頼は、事故一報後もゴルフクラブを離さなかった我が首相に対してと同じく、文字どおり地に堕ちています。不信感というよりは、むしろ憎悪の感情が安保条約を支持していた国民の間にも広がりつつあります。
 私たち普通の市民には納得できないことだらけです。私たちは以下の点を、とりあえず最低限の措置として貴殿に求め、貴国が具体的なアクションを取られない場合は、さらなる申し入れと運動を続けていくことをここに表明します。


【要請行動】

一、「えひめ丸」の船体を貴国の責任で1日も早く引き揚げること。
一、「えひめ丸」の乗員・実習生、その家族に「グリーンビル」の艦長自ら出向いて、一刻も早く直接謝罪するなど指示すること。
一、貴殿が近日中に日本を訪れ、日本国民に対して自らの言葉で謝罪すること。
一、事故の責任者を厳重な刑事罰に処すること。
一、事故の原因を解明し、その全容を漏れなく日本国民に情報公開すること。
一、事故の再発防止万全策を策定し公表すること。
一、民間船舶の航路、日本近海で原子力潜水艦の緊急浮上等を一切行わないこと。
一、上記の措置が取られるまで、原潜の作戦行動を一切中止すること。
一、日本の港には今後原潜を一切寄港させないこと。
一、大阪港、神戸港など日本の民間港に、米海軍の水上艦を寄港させないこと。
一、アール・ヘイルストン沖縄四軍調整官を直ちに更迭すること。
一、日出生台で民間人に榴弾砲を撃たせた責任者を処分し公表すること。
一、放火海兵隊員の身柄引き渡し拒否を最後に、今後起訴前の引き渡しに応ずること。
一、日米地位協定の全面的な改定交渉に応じること。


 2001年2月19日・関西共同行動 代表 中北龍太郎

 

 

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