USJ視察報告記

関西の起爆剤とは到底思えない

松野 治

2001年 5月5日
通巻 1075号

 去る3月14日、今話題のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)へ視察にいきました(視察ですからモチロン仕事です)。仕事ですから、事前にUSJについて調べてみると「USJはユニバーサルスタジオの国外進出第1号で、大阪市とユニバーサルスタジオ(映画配給会社)とランクグループ社(カフェやホテル経営)とその他出資会社による第3セクターの企業で、大阪市此花区(北港ベイエリア)に54ヘクタールの広大な敷地にエンターテイメント(大衆娯楽)の聖地として計画」されました。今後USJだけではなく、地域一体をユニバーサルシティとして開発する予定で、シネマコンプレックスや映像関連施設を建設することになっています。
 事前調査もそこそこにいよいよ現地へ。JR高槻から新快速に乗って約15分で大阪駅着。環状線に乗り換えのためにホームへいくと、運のいいことに直通電車がきました(直通電車も頻繁に出ている。が、ペイント電車に乗りたければ、環状線で西九条までいき夢咲線に乗り換える必要がある)。約10分でかの有名な建築家・安藤氏デザインの帆船をモチーフにしたユニバーサルシティ駅に到着。電車は空いていましたが、駅のプラットホームは記念撮影の人でかなり込んでいました。
 駅から入場ゲートまでは歩いて5〜6分と言ったところ。沿道にはファーストフードを中心にした店が十数件。グランドオープン前で営業していなかったので中を見て回ることはできませんでしたが、全ての店の作りが派手で夜はさぞかしネオンで目がちかちかすることだろうと思いました。
 入場ゲートをくぐった第一印象は、「どこでもよく似たもんやな」です。着ぐるみが歩いていてメインストリートの左右にキャラクターグッズの店、レストラン。四国のレオマワールド、伊勢スペイン村でも見た風景です。場内に進んでいくと、名前のとおり映画をテーマにしたアトラクションが約20。時間の都合で全てに乗ることはできませんでしたが、どれもよくできており面白いものでした。しかし、他の遊園地のように乗り物が迫力があって面白いとか、スピード満点といった面白さではありません。映画を見たことのない人、知らない人にとってはさほどではないと思います。実際、一緒に行ったあまり洋画を見ない連れ合いは、終始これがどうしたん?といった感じ。それにアトラクションの前の説明が長く、案内の人の変にオーバーなリアクションには興ざめでした(お客より先にキャーと言われたら驚きたくても驚けない)。
 USJは東京ディズニーランドとよく比較されますが、一歩も二歩も及ばないと思います。デートスポットとしてはそこそこでしょうが、小さい子供や家族連れにはちょっと物足りないし、料金も高く感じます。もう少し子供や映画を知らない人でも楽しいと思えるアトラクション、企画がないと、一度は行ってもまた今度もとはなかなか思わないのではないでしょうか。唯一、ディズニーランドより勝っていて魅力なのは、交通アクセスの良さでしょう。しかし、関西経済の起爆剤としての役割には程遠いのでは、と思わざるを得ませんでした。

 去る3月14日、今話題のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)へ視察にいきました(視察ですからモチロン仕事です)。仕事ですから、事前にUSJについて調べてみると「USJはユニバーサルスタジオの国外進出第1号で、大阪市とユニバーサルスタジオ(映画配給会社)とランクグループ社(カフェやホテル経営)とその他出資会社による第3セクターの企業で、大阪市此花区(北港ベイエリア)に54ヘクタールの広大な敷地にエンターテイメント(大衆娯楽)の聖地として計画」されました。今後USJだけではなく、地域一体をユニバーサルシティとして開発する予定で、シネマコンプレックスや映像関連施設を建設することになっています。
 事前調査もそこそこにいよいよ現地へ。JR高槻から新快速に乗って約15分で大阪駅着。環状線に乗り換えのためにホームへいくと、運のいいことに直通電車がきました(直通電車も頻繁に出ている。が、ペイント電車に乗りたければ、環状線で西九条までいき夢咲線に乗り換える必要がある)。約10分でかの有名な建築家・安藤氏デザインの帆船をモチーフにしたユニバーサルシティ駅に到着。電車は空いていましたが、駅のプラットホームは記念撮影の人でかなり込んでいました。
 駅から入場ゲートまでは歩いて5〜6分と言ったところ。沿道にはファーストフードを中心にした店が十数件。グランドオープン前で営業していなかったので中を見て回ることはできませんでしたが、全ての店の作りが派手で夜はさぞかしネオンで目がちかちかすることだろうと思いました。
 入場ゲートをくぐった第一印象は、「どこでもよく似たもんやな」です。着ぐるみが歩いていてメインストリートの左右にキャラクターグッズの店、レストラン。四国のレオマワールド、伊勢スペイン村でも見た風景です。場内に進んでいくと、名前のとおり映画をテーマにしたアトラクションが約20。時間の都合で全てに乗ることはできませんでしたが、どれもよくできており面白いものでした。しかし、他の遊園地のように乗り物が迫力があって面白いとか、スピード満点といった面白さではありません。映画を見たことのない人、知らない人にとってはさほどではないと思います。実際、一緒に行ったあまり洋画を見ない連れ合いは、終始これがどうしたん?といった感じ。それにアトラクションの前の説明が長く、案内の人の変にオーバーなリアクションには興ざめでした(お客より先にキャーと言われたら驚きたくても驚けない)。
 USJは東京ディズニーランドとよく比較されますが、一歩も二歩も及ばないと思います。デートスポットとしてはそこそこでしょうが、小さい子供や家族連れにはちょっと物足りないし、料金も高く感じます。もう少し子供や映画を知らない人でも楽しいと思えるアトラクション、企画がないと、一度は行ってもまた今度もとはなかなか思わないのではないでしょうか。唯一、ディズニーランドより勝っていて魅力なのは、交通アクセスの良さでしょう。しかし、関西経済の起爆剤としての役割には程遠いのでは、と思わざるを得ませんでした。

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