上関原発計画には、未解決の問題が山積み
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上関原発を建てさせない祝島島民の会 |
2001年 5月25日
通巻 1077号
上関原発の1号機炉心予定地には、地元の宮司さんが売却を拒否している10万平方メートルの神社地の一部がかかっており、「解決」の見通しは全くたっていません。同様に炉心予定地にかかる地元集落の共有地も電力会社と地元幹部が勝手に「取得」手続きをしたとして裁判が続いています。また、「炉心予定地」よりわずかに200メートル程度の距離をはじめ、周辺に多くの反原発地主の土地が存在しています。
予定地周辺の海は、水産資源豊かな瀬戸内海でも有数の好漁場でマダイなど高級魚の宝庫です。その海を一番利用している対岸の祝島漁協は19年間にわたり絶対反対を貫いています。他の漁協がお金目当てに「海を売ろう」としていることに対して正面から対決しています。今まで関係する漁協が反対したままで原発建設を強行した例が過去にあるでしょうか。
また、この海は瀬戸内海国立公園になっており、小型クジラ・スナメリや猛禽類のハヤブサ等が住み、海岸では希少な貝類等が数多く見られます。いくら「国策」と言えども、瀬戸内海を更に汚し、貴重な生物を絶滅させ漁民から『命の海』を奪い去るという暴挙は許されません。
国や中国電力は過去20年間に数百億円の金を地元・上関町中心に浪費しています。にもかかわらず、『上関原発反対』の声は地元を中心に周辺の市町村まで大きく拡がっています。いくら金や権力を使っても命に勝るものはありません。「住民合意」などできるわけがないのです。国も利権狙いの政治屋やゼネコン・業者の言うことばかり聞かず、脱原発という世界の趨勢を見極め、住民の本当の声を聞く必要があります。
今年3月発生した広島県安芸灘を震源とする芸予地震は、地震予知連絡会の「特定観測地域」に入っており、上関原発予定地もこの特定観測地域に入っています。また最近予定地近辺では小規模ではあれ地震が多発しています。『今後、マグニチュード七程度の地震が予測される』ということですが、不安は増すばかりです。
多くの島々を抱えた瀬戸内海に原発ができ、事故が起きたり、大地震が発生して原発の被害が生じたら、離島の住民に災難を逃れるすべはありません「救援体制の遅れ」という名目で、見殺しにされるのがオチでしょう。
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▼連絡先/山口県熊毛郡上関町祝島・祝島漁協気付/tel0820―66―2138