運動の展開に苦労している人たちが

読んで得する新聞を 

●大阪・渡辺 雄三

2001年 1月15日
通巻 1065号


 人民新聞は自閉症的な症状がますます濃厚になっているのではないかと私は感じています。共産党は大衆運動からますます党員を引き揚げており、この領域における存在感をなくしていますが、この党はそれとともに分裂のエネルギーさえもなくなり、自然消滅のプロセスが進行していますが、人民新聞もそんな状況になりつつあるのではないかと私は恐れています。
 社会を変えることができるのは人々の自発的な運動以外にありえません。この交流が人民新聞の役割だと私は思ってきましたが、この私の思いはみなさんと違っているのでしょうか。
 大衆運動を進めていくには、敵との間で圧倒的に力関係で敵が有利です。それゆえに大衆運動で勝とうと思えば敵の内部矛盾を突いて、その矛盾を広げていく以外に道はありません。
 大衆運動は負ければ味方の士気を失い持続しません。それによって個々の運動に対する大衆の信頼を失います。それゆえに、大衆運動を呼びかけた側は勝つために知恵を絞らなければなりません。
そのために労働運動であれば労働基準法、労組法などブルジョア法規を勉強してきました。この知恵も持って敵の懐に飛び込んで内部を攪乱することに成功すれば、初めて小さな勝利を収めることができます。
 最近の人民新聞を読んでいると、こんな苦労と無縁のところで新聞を作っているのではないかと私は感じています。
 今の編集部は全共闘世代以降の人たちですが、全共闘は闘いに勝つことよりも、闘いの仕方の「潔さ」の方を選択していたことで、私たち旧左翼世代は違和感を持っていました。その「潔さ」の最たる者が防衛庁で自殺した三島由紀夫で、思想が全く逆であるにもかかわらず全共闘世代に彼に共感する人たちがいるのはそのためだと私は見ています。
 敵陣営の中へ切り込んでいこうとしている人たちにとって役に立つ新聞を作って欲しいというのが私の願いです。 運動の展開に苦労している人たちが読んで得する新聞を作って欲しいと願っているのは私だけではないはずです。

 

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