米ミサイル防衛構想
の批判について

京都・渭原武司

2001年 6月5日
通巻 1078号

 ブッシュ政権の新ミサイル防衛構想とは「仮想敵国」が発射したミサイルから米本土だけでなく、世界も守る、というものらしい。「仮想敵国」とは一体どこなのか。例えば米国がイラクに対して行っている「制裁」という爆撃は宣戦布告のない長期通常戦争を続けているようなものだ。このようなことによって米国の世界支配の強化がはかられ、それに加えて米国の軍需産業が落ち込めば、経済も落ち込むという不況を防ぐためにもなるのではないか、と思われる。
 こんな構想に対して「理解する」としている日本に、その費用を負担させられたり、罷り間違えば戦争に参加させられたりしないよう毅然とした態度を示すことができる政治家、閣僚がいれば、何党に拘らず拍手を送りたい。
 田中外相が米国のミサイル防衛構想について批判した(とされている)ことについて、大臣の資質を問われ「国益を損なう」などと騒がれているが、これは外務省と自民党の幹部らが結束して「田中おろし」をしている謀略こそ問題である。

(終)

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