政治ゴロ・石井を追放し組合民主化を!

県知事・県教委と癒着、組合を利用し
利権漁りに明け暮れる石井亮一

2000年 7月25日
通巻 1050号

 本紙1042号「フィクサー気取りで談合選挙に明け暮れる石井亮一の横車の数々」、1045号「石井亮一の教組私物化に内部告発」で、兵庫連合会長・兵教組委員長の石井の犯罪を暴露してきた。本紙の暴露は兵教組内部でも大きな反響を呼び起こし、先の総選挙では公明党の離脱で「連合・5党協」体制が完全に破綻したこともあって、今や石井独裁体制は足元から音をたてて崩れつつある。本紙にはその後も続々と情報が寄せられており、腐敗幹部・石井の追放と組合の民主化に向け、引き続き暴露を続けていきたい。情報や意見を人民新聞まで!

県教委・教組の癒着の物質的基盤
兵庫県学校厚生会の利権構造究明を!

西宮・H生 

 教組を牛耳る石井亮一の暴露・批判記事、面白く読ませていただきました。「利権構造」という点で言えば、その最大のものは何と言っても兵庫県学校厚生会。今後の追及を期待しています。小生の知りうる範囲のことを資料としてお知らせします。
 石井が理事長を勤める財団法人・兵庫県学校厚生会は1968年に「兵庫県教育の振興発展と教育関係者の文化・福祉の向上、並びに教職員が現職中だけでなく退職後も生涯にわたり経済的・文化的・健康的に恵まれた生活の安定を目指して」設立され、2000年2月末日で現職会員43799人、退職会員18932人、生協会員9658人など、会員合計は72500人、専従職員は数百人に及び年度決算総額は200億円近く、「神戸市中央区にある本部を中心に、県下17支部事務所を配する全国にも類例のない総合福祉団体」になっています。
 「総合福祉団体」と言うよりは「総合福祉商社」と言った方がピッタリで、事業内容は共済などの福利厚生事業、預金・貸付などの信用事業、生協事業、図書・教材などの教育用品事業、生保・損保の保険事業、貸館事業等々、扱い商品は「指定店供給」も含めれば衣食住全てにわたっており、つまりは文字通り「揺り籠から墓場まで」教職員の生活全てを対象にした商売です。
 規則では「教職員として採用されると同時に会員資格を『取得』し、毎月の給料から月額の100分の1を掛金として納入」となっていますが、実質的には全員加入。役員には会長の宮崎・県教育長、理事長の石井以下、小・中・高校長協会長、県教委の管理職、教組役員がズラリと顔をそろえています。県教委と教組が一緒になって教職員相手の商売をし、かつ退職後の天下り先も共有しているわけで、これこそ県教委と教組の癒着の強固な物質的基盤に他なりません。
 これだけ大がかりな癒着の構造なのですから腐敗・汚職の温床にならない方が不思議なのですが、行政と組合が丸ごと癒着しているだけに、噂はあるものの実態はなかなか明らかになりません。以下、これまで噂になったこと、問題のありそうなところをいくつか指摘しておきます。

利益を抜き取るためのトンネル会社?

 兵庫県学校厚生会は一応財団法人となっており、法律の網がかぶせられています。医療法人や生協などでもよくある手口ですが、こんな場合は関連の別会社を作り、それをトンネル会社として本体の利益を抜き取るのが常套手段。兵庫県学校厚生会でも保険代理店業務の有限会社・学校厚生会、株式会社・六甲スカイヴィラなどがあり、いずれも石井が代表取締役になっています。
 六甲スカイヴィラは兵庫県学校厚生会が94年に電気通信共済会から買い取ったもので、当時はNTTが民営化でゴタゴタしていた時期で、「石井が山岸(初代連合会長)から頼まれて買収、その見返りに兵庫連合の会長にしてもらった」との噂が流れました。取得の必要性や経過、運営についての説明は、当然今に至るまで一切ありません。
 関連会社はいったいいくつあり、その実態がどうなっているのか、是非調査を。


「指定店」「提携店」との癒着は?


 前述しましたが、学校厚生会の「指定店」「提携店」は、洋服、時計・宝石、呉服、家具、書籍から家屋補修工事や不動産、車の購入・車検・修理、免許講習所からガソリンスタンドまで、衣食住全てにわたっています。神戸など大都市周辺ではそれほどでもないのですが、郡部や地方都市では結構利用されています。学校厚生会の方もJCBなどと提携、カード1枚で組合費の納入から物品の購入までできるよう便宜を図っています(ちなみに、日共系組合は組合費を別に徴収するため、ここからは外れていますが)。
 公務員の共稼ぎが比較的多い教職員は郡部では所得層としては上の方で、「指定店」「提携店」からすれば「上得意」。バックマージンは言うまでもなく、指定や提携をめぐって金が流れるのは当たり前の話と考えていいのではないでしょうか。

チェックが入らない決算報告

 学校厚生会は年1回、会員に対して「決算レポート」を出しています。しかし、各事業について極めて一般的に概要だけを報告したもので、詳細は全くわかりません。
 また、県が学校厚生会の福利、厚生に関する給付等の事業に年間10億円近い補助金を出していることから、年1回監査を行い、公報でその結果を報告しています。これについても、20億円の掛金収入と同じくらいの「繰出金」というのがあったりするのですが、詳細は報告されず、「適正に執行されている」の一言でお終いです。
 そもそも、監査する人間も全て「身内」なのですからチェックの入りようがないのです。まさに巨大な「伏魔殿」と言えます。

貝原県政との深い癒着

 そして最後に、そうした補助金も含めた県と教組の癒着の問題です。兵庫県学校厚生会が、自ら豪語するように「全国にも類例のない」ものに発展してきた背景には、貝原県知事と石井の緊密な関係があったことは周知の事実。貴紙でも触れていましたが、新教育会館建設をめぐる金の流れなど、とかく噂は絶えません。
  *   *   *
 以上、いくつか問題をあげてみましたが、最初に述べたように、兵庫県学校厚生会の利権構造こそ県教委と教組の癒着の物質的基盤なのであり、ここを変えない限り教組の運動の再生もままならないと思います。石井がその気になれば国会議員に転出できるにもかかわらずそうしないのは、この巨大な利権を手放すのが惜しいからに他なりません。実態の究明と情報公開、運営の民主化が急務の課題だと言えましょう。

 

連合・五党協破綻と中川・北川当選で
勢いを増す石井批判派


神戸・K

 先の総選挙で社民党の公認が兵庫県連の妨害で告示直前まで決まらなかった中川智子、北川れん子両氏の地元支部では、連合・5党協への不満が噴出しているようです。2人共に比例区での当選を果たしたことに加え、公明党の離反によって連合・5党協体制が実質的に破綻しただけになおさらで、県連役員の辞任要求も出ているのだとか。
 そこでネックになるのが、貴紙でも指摘していた「社民党教組支部」。ここは地域の支部とは系列が別になっていて、横の繋がりもほとんどないいわば別組織。それが県全体では多数派を占めるというイビツな構造が打破されない限り、「民意」が反映されることはありません。
 が、今回の選挙でも、教組の動員力はガタ落ちで、来るのは役員クラスばかり、更には公然と執行部方針に反する動きをする者も増えているなど、石井体制のホコロビはおおいがたい事実。連合・5党協に対立する形で選挙を闘った中川、北川さんが当選したことで批判派が勢いを増すのも、これまた当然の話。教組そして兵庫社民党が今後どう変わっていくのか、注目したいと思っています。


「特集」〜政治ゴロ・石井の横車へ

人民新聞社

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