【連載 維新批判(3)】住民切り捨ての事業民営化 密室で推し進められる都構想 大阪市民・紙芝居師 ファイター

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闇の大阪都構想

 私は今、不安でしょうがない。何がって? 大阪市を特別区に分割するいわゆる「大阪都構想」が決まってしまいかねない状況が、徐々に作られているからだ。


 大阪都構想に賛否を問う住民投票に反対していた公明党が、態度を180度変えてしまった。各区の広報紙には、「新たな大都市制度について」というコラムが掲載されるようになった。外堀は着々と埋められている。もし大阪都構想が実現すれば、どうなってしまうのか。今ある行政サービスは今までどおり使えるのか。「大阪市」でできていたことが「大阪都〇〇区」でどうなるのか。住民である我々にはまったく「見えない」。


 「大阪都構想」にはいろいろな問題点があるが、私はいち大阪市民として、大阪市の行政サービスを利用している者として、大阪都構想に反対を表明し問題提起をしたい。


 この記事を書くにあたり、「大阪都構想」の詳細を知るためにインターネットで検索をした。グーグルで「大阪市 法定協議会」を検索すると、大阪市のHPに該当するページがあった。法定協議会は、現在30回を数える(19年12月11日現在)。動画もあり、法定協議会の模様は全て公開されている。動画を全部観たわけではないが、愕然とした。一つの自治体を消して再構築しようという一大事なのに、どういう大阪にしていくのか、していきたいのかが、まるで見えてこなかったからだ。


 法定協議会は、「区割り」やそのなかで今ある区役所を当てはめる議論が中心で、現在の行政制度の水準が分割・再編後も維持されるのか、ほとんど議題にあがっていない。「大阪都」になれば、現在大阪市の各区がやっていたことが、ほとんどできなくなる。介護保険料の独自引き下げ、上下水道など区独自でできていたことが、できなくなるのだ。


 特別区の役所に行くのも不便になる。現在の行政区単位で地域協議会なるものを作るから大丈夫、かのようなことが区の広報紙に載っていた。それならなぜわざわざ分割・再編するのか疑問だが、それに答えるようなことはどこにも載っていなかった。

公明党の賛成で協議は激変

 大阪都構想の是非を問う住民投票が、20年11月に実施されるよう、維新の会と公明党が協議を進めている。法定協議会は、HPで進捗はすべて見られるようになってはいるが、TVも含めたメディアも詳細は知らせてはくれない。そのなかで反対が広がるのを避けるように、わずか30回ぐらいの協議で、特に公明党が態度を変えて以降はトントンと事が進んでいる。


 大阪市のHPには協議会の資料も載っているのだが、その中でIRに触れたものがあった。大阪市交通局からOSAKAMetro、大阪シティバスへの事実上の民営化や、大阪市を大阪都に分割・再編への流れは25年に大阪万博、その後のカジノIR構想をしやすくするためのものではないのか。


 もしそうであるなら、そこには「住民のための行政」という視点はまったくない。現に法定協議会には「事業切り捨てリスト」なるものが資料提出されているらしい。大阪市や大阪府、維新の会や公明党は「事業切り捨てリスト」とともに我々住民を切り捨てようとしている。それを許して良いのか? 今こそ問われているように思う。


 メディアが知らせてくれなくても、事実を知った者が知らない者に知らせていくことはできる。事実をどう考えるかはその人に委ねるとしても、ともかく知らせる、それが重要だ。そういうことをやる人が増えていけば必ず次につながる。私は大阪生まれ大阪育ちとして大阪で生きていきたい。住民投票でも大阪都に反対する! 今ならそれを大多数にすることができると信じている。ともに頑張ろう!

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