【浦島オバさん太郎の日本すごくない!(10)】週末の過ごし方

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 皆さんは週末をどのようにお過ごしですか?人民新聞読者の方たちは、デモや集会・勉強会に忙しいかもしれませんね。特に最近は、反権力イベントが多くてスケジュールを把握できないという人は、私だけではないはず。しかし日本には、休日の過ごし方がわからない仕事中毒の人が多すぎます。イギリスでは、月曜日の朝は必ず「週末どうだった?」て感じで「How was your weekend?」と聞きあいます。ほんの小さな出来事や楽しかった事などを話したり、報告しあうのです。


 マーケットで手作りパンを買ったとか、弟とパブに行って知らない親子と仲良くなったとかなんとか……。自転車で知らない街に行き迷ったとかね。それでも彼らは週末を楽しんでる!って感があふれていて会話がはずんだし、同じ趣味や嗜好を発見して、お互い親近感が増したりしもんだよ。週末は生きる活力!て感じだったな~。


 それに比べて他人に興味がないのか(噂話には興味津々だけど?)、日本人は週末どう過ごしたかなんて聞きあわないし、聞いても答えは「何もしていない」「一日中寝ていた」「一緒に行く人いないから、出かけていない」……。なんだか暗くて、話が続かない。イギリスで週末寝て過ごしたなんて答えたら、重篤な病気なのかと思われる!


 私の会社の一番若い同僚Hちゃん(26歳)に、週末をどう過ごすのか?聞いてみたところ、「どこへも行かない」との答えでした。私が驚いた顔で「ずっと家に居たの?」といったら、横から高齢の同僚が「○○ちゃんは、家が好きなんだよね。落ち着くよね」と助け舟を出して、私はもう何も言えなくなってしまった。

「独裁者リーダーT」のお誘い

 私が驚いた週末の過ごし方の一つに「掃除と洗濯で週末が終わった」というのもある。どんだけ広い家に住んでるの? 2日間も掃除と洗濯をし続けるの? 洗濯て、何日分溜めてるのー? 日本人は週末を楽しんではいけないと考えているとしか思えないんだけれど? 

毎日がつまらなく、ルーティーン化してくだらないんだろうか? しかも、彼らの話す内容はアイドルの話題中心で、オマケにほとんど空想の世界だ。40~60代までのおばちゃんが、昼休みに携帯を見せあい、アイドルの話をするという異様な昼休みは、気味の悪い事だと考えていたけど。もしかしたら、彼女たちの逃げる場所として必要なのかも?と考えてしまう。それでもやっぱり気味悪いよね!


 週末も仕事の事を考えると眠れなくなるとか、仕事の夢を見るとか、私にはほぼ考えられないような生活をする日本人。イギリスでは、週末に仕事の事を考えて眠れない人を見たことがなかったし、夢に仕事が出てくるなんていう話も聞いたことがない。


 そうそう、週末の過ごし方といえば、先週のできごと。同僚のSちゃんが金曜日の夜に上司の「独裁者リーダーT」からLINEでメッセージがあり、「土曜日早朝、○○デパートの前に集合。フルーツフェアに行こう!」と誘われたらしい。他の同僚が「行ったの?」と驚いて聞く。「しゃーないやん。行くしかなかった」とSちゃん。朝から並んでフルーツイベントに参加。自分の時給の2倍の値段を払いつつも普段食べなれないゴージャスなイチゴパフェを食べて胸焼けし、Tの趣味である、手芸の店に連れ回され(もちろんSは興味がない)、寒い中、野外で素人の歌うゴスペルを聞き、食べたくもない中華料理店に自腹でつき合わされたと言う。可愛そうなSちゃん。これが週末?


 SちゃんがTから解放されたのは,夕方4時だったそうで。他の同僚たちは気の毒そうな表情をしながらも,心なしか「誘われなくて、よかった」とほっとしているように見えた。私が「2人の時にはどんな話をするの?」と聞いたら、もちろん「仕事の事」だった。あーあ! 本当にどこまで日本人は仕事が好きなのか? ホンマにホンマに日本は凄くないわ~!

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