【ぷりずむ】

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 週に一度、西宮の山の方で無農薬野菜を作っている人が、それを届けてくれる。また玄米、豚肉、魚などを生産者から直接届けてくれる共同購入の会とも、30年来のつきあいだ。こちらも週に一度届けてくれる。このようなやりとりは、思いのほか大切なことなのかも知れない▼資本主義は拡大し続けなければ存続しない。資源を奪ってきた周辺が小さくなって、内部からの収奪を強め、格差を拡大し、国家を私物化してきた。そうしなければ資本主義は維持できない。日本ではアベ政治だ。そして今、資本主義の終焉が言われる。では資本主義の次の段階の生産関係はどうなるのだ▼その一つが、生産者と消費者が配達者を仲立ちに直接つながり、その輪が横に広がり、生産、配達、消費の人らが互いに敬いあう関係なのだ。このようなつながりの積みあげと広がりが、人の尊厳を奪う権力に対する闘いと結びつくとき、政治を変え、経済ではなく人を第一とする世を生みだす。人は金儲けの資源ではない。人それ自体が尊厳あるものとされる世であらねばならない。無農薬の野菜を直接受け取ることは、その始まりだ。だが、前途は長い。これはまさに長征だ。 (n)

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