空前の被害に誰も責任取らない 社会秩序の崩壊促す不当判決 市民環境研究所代表理事/石田紀郎に聞く

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東京電力旧経営陣 全員無罪!

 判決の日、東京地裁に行きましたが、傍聴希望者840人の抽選に漏れ、外で待っていたところ、「全員無罪・不当判決」のパネルをもった宇野朗子さんが走ってこられました。これを見た避難者の方々は、顔が引きつり泣いておられました。  

弁護士会館での報告集会は、急きょ「抗議集会」に切り替えられました。判決は、原発に関して、「どんな被害が起ころうとも責任を問われることはない」と司法が宣言したということです。今も怒りがおさまりません。  

「福島原発 刑事訴訟 支援団」は、すぐに控訴を求める署名活動を始め、9月30日、控訴が決まりました。署名は15000筆以上が集まり、福島県郡山駅前で行なわれた街頭署名時にも、数多くの市民の方が足をとめて署名してくださったそうです。  

判決については、津波対策を順次実施してきたけれども、大震災には、間に合わなかったというのならまだ、わからぬことはないのですが、御前会議で10メートルを越える津波の可能性を指摘されたにもかかわらず、東電幹部はこれを無視したわけです。  

こうした御前会議の内容を明らかにしたことは、裁判の成果の一つです。にもかかわらず裁判所は、「自然災害だから、刑を問えない」というのです。 

公害裁判では、刑事責任を問われて刑に服した経営者もいましたが、今回の判決で今後、経営責任を問われることはなくなるのではないかと危惧します。長年公害問題に取り組んできた私からしても、これでは社会の秩序など保てないと言わざるを得ません。  (聞き手:編集部・山田)

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