【時事雑感】拡大する香港民主化闘争  問われる日本の民主化 編集部 田中 末広

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編集部が、リレー形式で時事問題を斬る!

香港での「逃亡犯条例」阻止から始まった民主化闘争は、12週目に入り8月18日には170万人(香港人口は約750万)、人口の4.5人に1人が参加する抗議行動があった。23日夜には人間の鎖に「私たちは、自由と民主主義、そして香港のより良い未来のために手をつなぎます。」と13万人の参加があった。  

22日発のロイター通信では「平和的な抗議活動と並び、正当な政治表現としての『実力行使』の考えが、次第に主流になりつつある。……香港で起きている『暴力』には秩序がある。……「人にはみなそれぞれのやり方がある。大事なのは結果だ。自分は受け入れる」と、妻と7歳の息子と一緒にデモに参加していたガレン・ホーさん(38)は語った。……暴力が拡大していくことを受け入れる人は確実に増えている。歓迎したり参加したりはしなくても、(参加者を)批判はしないという人たちだ。われわれは団結している」と紹介し、民主と自由を求める戦いが拡大していることを伝えている。  

一方韓国では、慰安婦問題・徴用工問題などに対して、安倍首相の「韓国が韓日請求権協定に違反するなど、国と国との間の信頼関係を損ねる対応を続けている」と居直り、報復措置としか思えないホワイト国(輸出管理優遇措置対象国)からの排除を決定した。  

日本政府の対応に対する抗議行動が大きく拡大するなか、8月15日光復節には、「NO安倍」を叫び「親日積弊清算、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄」と「日本国内の反安倍政権勢力との市民同士の連帯」を訴えた10万人(主催者発表)規模のキャンドル集会が行われた。23日、韓国政府は「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」を破棄した。  

さて、放射能汚染の責任も取らず隠し通そうする、民意を無視した辺野古工事の続行、首相忖度による誤魔化しと嘘がまかり通る政治、労働三法を無視した労働組合弾圧、モノ言えば警察が飛んでくる街頭、安全保障の優先を口実にした言論・表現弾圧、等々。今の日本現状を許してきた私たち。  

韓国ハンギョレ紙は「安倍政権に反対する日本の良心的市民が日本で影響力を持つよう、連帯することが重要だ」と市民団体代表の声を紹介している。香港・韓国の民衆にどう応えるか。

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