【実録】公安警察取り調べ(3)

様子見は「引き分け」 編集長 山田洋一

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5/23結審決定!
最後の裁判となります。圧力をかけるため、参加をお願いします。

本格的な取り調べは、3日目の次のような雑談から始まった。

 刑事N:「いい部屋ですね。無垢材をふんだんに使ってお洒落な喫茶店にでも入った感じでしたよ。憧れるなー」。この呼びかけは、私の弱点を突いたものだった。〔ふん、テメェは、その他人の部屋を家捜ししたんじゃねえか!〕と思ったが、部屋を褒められると悪い気はしない。

 「あの内装は相当お金をかけていますよね」と重ねてきたので、「いやーあれは、DIYで少しずつ造りあげてるんだよねー」と応じてしまったのである。こうなると頭に乗ったナントカだ。テーブルはこうして、スピーカーも手作りで…と、しっかり乗せられてしまったのである(自己批判します)。

 5時頃、取り調べ終了し、1階下にある留置所の独房に帰って、翌日の方針を考えた。とにかく、弾圧の目的と広がりを知る手がかりをつかむ必要がある。翌日は、前夜の総括としてまず、メモ用紙と筆記用具を要求した。(刑事に向かって)「あなたはパソコンを持って、横には書記係もいる。せめて筆記用具くらい提供しろ」という要求だ。無論却下。N刑事曰く「決まりがあってできないんですよぉ」とすまなさそうに断ってくる。これは想定内。次にいくつかの質問をした。(1)いつ捜査を始めたのか?、(2)ガサイレは全国何カ所か?、(3)新聞社へのガサイレの責任者は誰か?、etc、etc…。

 無論これらの質問に対しても「捜査上の秘密なので答えられないんですよね」だ。当然だ。逆に真面目に答えられたら、こっちが驚かねばならないし、「私もリスクを冒しているんですから、山田さんも…」と言われればツラい。

 この応答を待って次のように宣言した。「これではあまりに非対称だ。こんな状況では雑談にも応じられない」。一応仕切り直しを終え、様子見の第1期はめでたく「引き分け」で終了したのである。あー危なかった!

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