【新潟県知事選挙】争点隠しで僅差で敗北

県民の7割は原発に反対新知事に反原発を突きつけていく

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与野党の総力対決と言われた新潟県知事選は、与党の花角英世氏が勝利した。最大焦点の柏崎刈羽原発再稼働の是非をぼかされたことが敗因と言われ、名護市長選と同様、巨額の原発マネーを背景に期日前の組織投票や野党側へのデマ・脅しもあった。だが与党の総力の攻撃に僅差で競ったことは、希望でもあるだろう。野党選対の中心を担った新潟市の横山由美子さんと、刈羽村PAZ(原発から5キロ圏内)在住の一村民の方に話を聞いた。

(編集部・園)

 

新潟市民横山さん

自公の金・圧力で締めつけ企業が集団で期日前投票へ


 私たちは市民と野党が共闘して野党候補の池田千賀子さんを勝たせるために、確認団体 「輝く にいがた」を5月8日に設立し、12日に記者会見しました。若手から年配者まで幅広く参加しています。原発再稼働には7割の県民が反対しています。ただ突然の知事辞任・選挙戦のため、正直出だしや周知が遅れ、敗因の一つになったと思います。

 対して与党の動きは速く、用意周到でした。花角氏が早々に「原発はゼロを目指したい」と表明し、候補者間の違いをわかりにくくさせられました。私たちは必死に「与党候補だからそれはできないよ」と訴えましたが、新潟の地元紙も全候補者が原発ゼロで共通かのように報じました。また、野党の党首クラスや県外の市民運動の人々も多数駆けつけ、「安倍政権への審判だ」と訴えましたが、住民には「県知事選でなぜ国政の話?」とあまりピンとこなかったかもしれません。

争点をぼかして現状維持を選ばせる

 私たちはイメージカラーのオレンジ色のものを付けて、あらゆるところに出かけていきました。若者や若い親も、SNSを見て協力に来ました。
 農村部の票は僅差で、地域ごとのキーパーソンがしっかり動きました。安倍農業政策への怒りもあったと思います。

 ただ、新潟市など都市部は前回より票が開きました。『新しい女性候補』を前面に出しましたが、意外に女性票が伸び悩み、思ったほど効果がなく、花角応援演説での『新潟に女の知事はいらないんだ』の暴言も、抗議の記者会見をしましたが報道したのは朝日新聞のみ。 争点を隠されたことで、政策の話に深まらず、「大きな違いが無いなら、元副知事で、これまでの路線を継承し、男である安定した花角氏の方が良い」、つまり「今のままで良いじゃないか」という保守的な感覚の方向に持っていかれたと思います。それが与党の作戦だったのでしょう。

 新潟の選挙は森ゆう子さん、米山前知事と野党が勝ち続けていたため、与党は全力で市民と野党の勝利を阻んで来たのだと思われます。例えば、池田候補の当選をさせないよう、花角候補の支援者による「文春が選挙後に出るようだ。また下半身の話だ。そんなことになったらまた選挙になるではないか」との発言があったそうです。

 極めつけは前回より3割も増えた期日前投票で、与党を支持する企業の社員などを、仕事中に期日前投票に行かせることが、全県的に行われました。与党候補に入れたかどうかを社内でチェックしたといいます。ここまでの締め付けは新潟では初めてで、与党は何をしてくるかわからないと思いました。

 総合して考えると、かなり以前の米山前知事のスキャンダルが4月に突然報じられたことには、出来事は事実としても、意図的なものを感じます。

 

日常生活から政治の話をしよう

 農業団体や医療団体のように、今の政治の恩恵を受ける大企業や建設業の社員が与党の組織票と化しました。私たちは、与党の政治の被害者である若者や非正規社員に語りかけ続けました。しかし、彼らは非正規ゆえに働くことで精一杯で、政治を考えたり投票に行く余裕がなかったのかもしれません 。この矛盾の解決が今後の課題です。

 今後は、新知事に再稼働反対などの要求を突きつけていきます。また、争点隠しが成功し、政策の話にならないのは、多くの人が政治の話だと途端に小声になったりする社会だからかもしれません 。日常生活の中で政治の話ができる仲間を増やしていくことを、今後は頑張っていきたいです。

 

刈羽村の一村民さん

柏崎刈羽原発には廃炉の道しかない

 自民党の二階幹事長らは、新潟県連を「前回参院選、前回知事選に続き、今回も負けたら大変なことになる」と脅し、選挙のプロを送り込みました。自民党は全県に支部があります。多数の期日前投票はその結果でしょう。また、原発全廃を訴えて3人目候補の安中聡氏が突然出てきて、原発反対の票をだいぶ取りました。安中氏は、与党が攪乱のためにわざと用意したのではとも言われています。
 柏崎市は野党の票が伸びましたが、刈羽村は横ばいです。原発再稼働を仕事の面から望む人々がいますし、反対を言いづらい雰囲気が今も強くあります。東電は、6月14日に福島第二原発四基(440万kw)の廃炉を表明した分、柏崎刈羽6、7号機の再稼働に期待を寄せています。

 しかし、1~5号機は地震のダメージが大きすすぎて再稼働のめどは立たず、6・7号機も県民世論の7割が反対です。柏崎市の桜井市長も、再稼働には慎重姿勢です。東電はかなり強引にくるでしょうが、そう簡単にはいきません。

 今や東電の幹部も、自然エネルギーに移行した方が経営的にもうまくいくという本(『UTILITY3・0へのゲームチェンジ』)を出している時代です。6月末の株主総会で福島第二原発の廃炉を報告するでしょう。柏崎も廃炉に!という声を高めたいです。

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