ぷりずむ

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 「もしあなたがある日目覚めたとき、そこが監獄で看守がネズミだったとしたら、あなたはおとなしくその監獄にとどまるだろうか」。

先日亡くなったイギリスの理論物理学者のホーキングは、何年も前にこのような警告を発した

▼彼は体の筋肉が動きにくくなる難病(ALS)にかかって声すらも失い、パソコン付きの車イスで生活し、人工音声で会話をしていた。パソコンと慣れ親しみそれに頼ってきた人だけに、その警告は重い。私たち凡人にとっては、コンピューターですら仕組みもわからずブラックボックスであり、ましてやAIなど手に負えない。アインシュタイン以来の頭脳の持ち主といわれるホーキングなら十分に理解した上での話だと思う。ビル・ゲイツもAIに対して批判的なんだそうだが、コンピュータソフトを金儲けの道具にした張本人だから、あまり素直に聞けない

▼AIの発達・普及が私たちの暮らしや仕事を大きく変えることは間違いない。車の自動運転もそうだ。誰も車など欲しがらなくなるし、運送や郵送の仕事も大きく変わる。ただ一番大きいのは、考えることすら機械に任せてしまった人間そのものが変わり、ネズミに近づいていく。AIが「目覚め」るのは意外と早いかも知れない。(や)

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