ぷりずむー1603号

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 このところ、本紙とは別の編集の仕事で、80代以上の方々とやりとりする機会がある。インターネットが基本インフラになってひさしく、編集のやりとりもメールなどが当たり前のご時世にあって、その仕事では基本的に手書きの手紙で文通している。電話でやりとりしても、口頭だけだと忘れてしまうこともあるので、待ち合わせ場所など決まったことはハガキで確認。なんともゆっくりだが、その時間が大事なこともある。一度は断られてしまったインタビューも、手紙でこちらの思いを書き綴って返信したら、思い直して引き受けていただいたこともあった▼そこには、ネットを通じたコミュニケーションにはない、間や溜めがあるように感じている。ネットのコミュニケーションはスピードが速すぎるのだろう。即レスが当然で既読スルーが問題になるようなスピードでは、コミュニケーションに間や溜めが持てず、あげくの果てには、やりとりそのものが自己目的化してしまっている。それでは、コミュニケーションすればするほど不安になってしまう▼まあ、とはいえPCもスマホもネットも手放せないし、その利点もたくさんあるのだけれど、人間とネットが常時接続では、自分の頭も過労でサーバーダウンしてしまう。労働時間だけではなく、情報にもコミュニケーションにも、オフは必要だ。(K)

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