視点 論点 オバマの最後っ屁

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盗聴強化法に署名-スパイ防止名目

 編集部 脇浜 義明
 昨年年末にオバマは、「情報攪乱とプロパガンダへの対処法」を含む「国防権限法」に署名し、成立させた。これは、大統領選挙で《トランプが勝ったのは、ロシアのスパイ活動的支援があったからだ》という噂への対処のようである。海外プロパガンダでは、例えばVOA、ハリウッド映画、アメリカ文化センター、NGO、慈善活動、キリスト教布教活動など、ロシア(あるいは旧ソ連)なんかより米国の方が徹底しているのに、何を今さら、という感じがする。
 この法律によって、去年3月に米国が「テロリスト」のプロパンがンダに対抗すると言って設立した「グローバル・エンゲージメント・センター」(GEC)が、オーウェルが『1984年』で描いた全体主義国家オセアニア政府の真理省となりそうである。真理省は、反国家行為や思想を取り締まるだけでなく、国民の語彙や思考をニュースピークという言語を通じて統制する省である。そこでは、テレビは「観る」ものでなく、向こうから「見られる」ものである。だから、単に敵対外国への対処だけにすまない、国民統制の道具なのだ。現に「情報攪乱とプロパガンダへの対処法」では、内外のジャーナリストの訓練、NGO、市民団体オルガナイザー、シンクタンク、民間会社、メディアとの接触や助成金提供のための予算措置も定められている。
 差別問題をライフワークにしてきた私にとって、黒人初の大統領として少しは期待したのだが、「カラーブラインド政策」で黒人を裏切り、最後にはオーウエル的世界の準備をして退場するなんて、最悪の大統領の一人である。
 マイナンバーや特定秘密法の安倍、プーチン、習近平、トランプなど、独裁志向の政治家が踊る舞台としての世界だ。残る人生をあいつ等ととことん闘うことに捧げる。

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