ぷりずむー1601号

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 大豆を11月中旬に収穫した。天日干しにしておき、ごみや枯葉をとりのぞき、枝から鞘をはずし、豆を取り出す。調整は、田植えの苗箱の上を斜めに転がす。まん丸はまっすぐに落ち、不整形ほどカーブを描く。仕上げの楽しい作業だ。この緑豆は、埼玉県の友人の村の在来種を7年前に貰ってきて植えた◆「在来」について考えてみた。「在来」種保存という言い方は肯定的である。なぜ政治綱領にこの良い言葉が使われないのか? 気になって、「在来」の例文を調べてみた。だいたいは、古臭いといったニュアンスで否定的だ。肯定的な例もある。「在来の日本が生み出したものの革新ではない」から外来直輸入は信用できない、という立場だ◆世界緑の党連合のグローバル・グリーンズ憲章を読んでみた。「ローカルな自給自足・小農の多様性・有機農業を支持」、農の記述はこのレベルだ。世界の共通言語に「在来化」や「風土性」はまだない◆東からきた私の緑豆は、みごとに瀬戸内気候で定着し「在来化」した。「なんでこんなにおいしいの?」と、食べた人が必ず聞く「兵庫在来」となっている。北から来た丹波の黒豆、庄内の茶豆は、あのおいしさが失われ成功しない。世界の金融資本は温暖・寒冷前線地帯でしか生まれなかったことを思い起こし、グローバル世界と対峙する政治意識に「在来化」方針を定着させたい、と思う。   (I)

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