那覇県庁前で集会、衝撃的な告発が しばたてつや(ジュゴン愛好家)

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全国各地のフラワーデモに連帯して

 毎月11日全国各地でフラワーデモが開催されている。フラワーデモとは、3月に立て続けに出されたレイプ加害者への無罪判決に対して、この国の司法はどうかしてる、誰かの尊厳を奪いつつ無関心ではいられないと、性暴力サバイバーに連帯するために始められた運動である。
 今年4月東京・大阪で開催されたことを受けて月を追うごとに増えていき、11月は28カ所で開催された。

 沖縄・那覇でのフラワーデモは、8月が初開催となった。わたしは、9月からジュゴンたちと毎月参加している。そこで驚いたことは、平和運動と言われている運動内部または家庭内でのハラスメント/性暴力の告発だった。わたし自身、高江や辺野古の運動に参加し、携わっている人間/男性として、衝撃的であると同時に運動内部に孕んでいる暴力性みたいなものを問いただす必要があると感じている。
 

告発された話の詳細はここではしないでおく。証言された女性のプライバシーがあるから。だけど、告発されている男性は誰なのかということも気になる。韓国や米国では著名な映画監督や俳優、政治家であっても名指しで告発されているのに対して、この国ではまだまだ被害者に対する2次被害などのバッシングや自己責任の声が根強いのが現状。
 

沈黙を強いられた性暴力被害者から性被害を語るサバイバーになるには、相当な勇気と不安がいる。韓国のキムハクスンさん(1991年8月14日告白)や、沖縄でペポンギさん(77年4月26日同様)らの日本軍による性奴隷・戦時性暴力体験の告白がそうであった。
 

加害者が運動関係者であっても当然告発しづらく、周りから信頼され評価されている人であるなら、なおさら被害者の証言は信用されなかったり、仕方のないこと、よくあることだと片づけられてしまう。メディアで言えば、伊藤詩織さんへのレイプ加害者も大手TV会社のディレクターで、安倍官邸と親しい関係でもあり、大手メディアは報道しなかった。「DAYS JAPAN」の広河隆一もまた同様で、性被害は長年深刻化してきた。
 

運動圏の構造的な性暴力を批判

求められているのは、被害者・サバイバーへの連帯の気持ちと理解、そして共感すること。そして、運動内部の暴力的なものを恐れずに批判していくこと、ハラスメントの予防的マニュアル的な措置ではなく、運動圏での権力関係と構造的な暴力を批判していくこと。
 

平和学で言うところの構造的暴力や安全保障の概念によって、運動内部での性暴力/ハラスメント問題も考慮する時代に入りつつある。「平和運動」が誰かの犠牲で成り立っているのなら、既存の「平和」そのものを変えていかないといけない。
 

これまで積み重ねられた辺野古・高江での非暴力・反基地運動を否定するのでもなく、平和運動から社会そのものを変えていく運動=社会運動へと質的転換が求められよう。
 

運動圏にいるわたしたちの行動様式から変えていくことで、運動圏そのものが広がるだろう。そして新しいアイデアや実践も生まれるだろう。本当の非暴力・平和そして安全保障を求めるムーブメントは、誰にも止められない。

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