【浦島オバさん太郎の日本すごくない!】<第五話・自転車>

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 今のところ、日本は治安の面ではまだ「安全」であると感じる。なぜって歩いていて突然突き飛ばされ、カバンを盗られたりすることは、イギリスに比べれば少ないと思う。車の中から急にカバンを引っぱられたり、エレベーターの中で押されたなと感じたら財布がなくなっていたと言う恐怖は少ないだろう。  

しかし、日本にはそれとはまた違う恐ろしさがある。それは「歩道」を歩いていて突然後ろから自転車が現れるという恐怖である。イギリスでは、歩道を自転車で走るのは法律違反で、警察に見付かれば50ポンド(7500円くらい)の罰金が課せられる、ライトやヘルメットも常識。日本では、歩道をふらふら歩いていると、ヘルメットは被ってもいなくて、ライトもつけていないような自転車が後ろから、ぬ~と現れる。特に夜などは飛び上がるくらい驚く!  

街を歩いていて感じるのは、大阪人は自転車の運転がとても上手いということ。前と後ろに子どもを乗せてガニ股で自転車をこぐ若いお母さんなど、ほのぼのとして可愛いし、後ろの籠に大きな白い犬を乗せて坂道をのんびりこぐお爺さん。しかし、片手に携帯電話の若い子は危ない。  

一番私が帰国してから驚きかつ感動したのは、自転車でも雨にぬれたくない、そして、バスを待つのはいややーという大阪のオバちゃんたちの熱烈な期待に応えた「さすべえ」である。これこそ大阪が誇る偉大なる発明だと、心底感動した。「さすべえ」の値段を調べると下は800円くらいから高級なもので3000円くらいのものまであるみたい。車椅子や子どものバギーなどにも付けられるものもあるようで、便利そう。しかし、この「さすべえ」違法なのかな? 

大阪府や兵庫県ではサイズにより違法か合法か分けられているみたいやけど、片手で傘差して運転するよりは安全ちがう? 東京では流行ってないらしいけど。  

これこそ大阪特有のすぐれものだろう。私はイギリスで傘をさして自転車に乗る、または「さすべえ」モドキを取り付けている人たちを見たことがない。ロンドン人たちは、舗装の悪い車道を意地悪な運転手に煽られながら雨の中、カッパで走る。全身ずぶ濡れになり冬なんて凍えそうになり、自転車で来たことを心底後悔しながらもひたすら自転車をこぐ姿が涙ぐましいのに対し、大阪のオバちゃんたちは「さすべえ」と共に悠々と雨の日もお買い物へ行く~ええやんかー? そうや!今度ロンドン帰る時には皆に「さすべえ」を土産にしようかな? えっ? なに? 日本凄いていうてる? そうやなー今回だけは「日本のさすべえ」凄い!    (大西ゆみ)

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