シンママ応援団とよなか

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シングルマザーからのSOSに応える

個々の実態に   即した支援

 学校が夏休みに入ると給食がなくなり、家計の圧迫に苦しむシングルマザーが増えるという。  

上野敏子さんは、発達障害の長男とダウン症の次男をひとりで育てている。自分と同じ立場のシングルマザーが抱える問題を解決するため、4年前、仲間とともに「シンママ応援団とよなか」を立ち上げた。毎月「こども食堂」を開き、そこに集まった子どもたちから家庭の情報を集め、支援のための食材や日用品を「ハッピーボックス」として需要のある家庭に届けるなど、豊中市南部を中心に社会的課題の解決に向けて活動している。  

シングルマザーになる経緯の多くはDV(家庭内暴力)だ。配偶者のDVから逃れるため、ゆかりのない街へ引っ越すので、地域に頼れる人がおらず、「自分が選んで離婚したんだから仕方ない」と孤立してしまう。  

抱える事情も十人十色。子どもたちもそれぞれにしんどさを感じながらも、親を気遣うために誰にも言えず抱え込んでいるケースや、母親が子どもを残して夜のパートに出る時、近所の人に見つかりネグレクト通報されないように細心の注意を払っているというケースもあるという。  

実態を知らないおっさん議員

活動を続けるなかで見えてきたのが、行政との認識のズレだ。例えば、「ファミリーサポート」という制度がある。保育所や学校の時間外に子どもの預け先として、一定の条件を満たした利用者は「実質無料」で利用できることになっている。しかし、月単位でかかった費用をまとめて申請すれば、後日返還されるというしくみのため、初期費用を払う余裕がない場合は諦めざるをえない。本気で働き方改革をするなら、子どもの預け先ももっと多様になるはずだ。また、仕組みがあっても広報が不十分で、必要な人に情報が届いていない。  

シンママ応援団のメンバーの西谷知美さんは、現状を変えるため「子どもの預けかた改革」を掲げ、当事者として統一地方選に出たが、落選した。「議会がシングルマザーの実態を知らないおっさんばかりだからこうなっている。困っているママこそ忙しくて投票へ行けない。投票所まで足をはこばなくてはいけないという仕組みはシングルマザーにとっての障壁だ」と指摘する。  

シンママ応援団は行政への働きかけもしつつ、地域市民で支援の取り組みをしているが、夏休みに入り、物資が不足している。支援カンパを!(編集部・村上) カンパ先:ゆうちょ銀行 記号:14090番号:71025611 シンママオウエンダントヨナカ

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