秋田県警が差別的な情報拡散 女装と不審者を結びつけるな レインボーなごや 酒井 徹

LINEで送る
Pocket

 「女子高校生2人が、女装姿の男を目撃する事案が発生」との「不審者情報」が5月21日、秋田県警のHPに載った。これでは女装自体が問題であるかのような誤解を与え、偏見を助長する。この情報は、「ガッコム安全ナビ」というサイトを通じてネット上に拡散した。  

私は5月27日に電話と文書で秋田県警とガッコムに抗議。ガッコムは同日、「情報元である秋田県警情報も削除されておりましたので、安全ナビ上からも削除しました」とツイートした。  

秋田県警は、「女装をもって不審者扱いしたものではありません」、「今後、誤解を招かないような内容にします」と答えた(『週刊金曜日』1236号)。そして秋田県警はこの不審者情報を、「女子高校生2人が、物陰から突然現れたスカート着用の男から驚かされる事案が発生」と改めたのだ。  

本件は秋田県の県紙・『秋田魁新報』にも取り上げられ、悪意と偏見に満ちた反応もあった。例えば、「LGBTは『在日パヨク(在日朝鮮人)』が騒いでるだけw/アベやめろ!と繰り返してアホなの?」。  

筆者はこの人物に、「『在日パヨク』とはいかなる根拠に基づくのでしょうか? 『アホなの?』とは私への問い掛けでしょうか? ご指摘に困惑しています」と返信ツイートを行なったが、返答がない。  

趣旨を曲解する 「論難」者たち

記事をきちんと読まないで批判する人が多いのにも参った。「何言ってるんだ?/夜中に物陰から女装した男性が出てきたらそりゃ不審者だろ。馬鹿じゃねーの」、「どう考えても不審者だろ。謝罪案件ではない。警察が暴力に屈してどうする」。  

本件は、「女装姿の男を目撃する事案が発生した」とだけ記した不審者情報を県警が流したことが問題視され、指摘後、適切な不審者情報に改善されたというものだ。この者が不審な行ないをしていたのなら、初めからそう書けばよかったのだ。  

指摘の趣旨を曲解して論難してくる人も多かった。「女装していれば咎められないのか?」「不審者であっても女装してるなら報道するなとか言うのか?」  

一体誰がそんな主張をしているというのか。「女装した男が不審な行為をしていたら不審者情報に載せる」のはOKだ。  

でも、「『女子高校生2人が、女装姿の男を目撃する事案が発生』と、不審な行為を記さずに『女装』だけを問題視する形で載せたら差別」だ。それだけのことである。

LINEで送る
Pocket