【記者の目】参院選 長谷川豊候補による部落差別発言 維新の無知・人権意識の欠如に批判殺到

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 夏の参議院選挙に日本維新の会から立候補する予定の長谷川豊氏(元フジテレビアナウンサー)が、今年2月24日に世田谷区でおこなわれた講演会で被差別部落に対する差別発言をした。5月15日にYouTubeに投稿された動画におさめられている。  

長谷川氏は「日本にある消された歴史の話から」と歴史修正主義の立場から論を展開。そのなかで、「江戸時代には、士農工商の下に、穢多・非人、人間以下と設定された存在がいた。彼らにも性欲があるため、当然、一族野盗郎党となって乱暴を働く。侍は妻子を守るため刀を振り回す。しかし、相手は犯罪のプロ。命を賭して侍が時間稼ぎに振り回す刀が当たらない距離が三尺」とし、「女は三尺下がって歩け」は、「男尊女卑」ではなく「愛の言葉」だと説明した。  

被差別部落をめぐる問題では、暴力や犯罪と結びつけた流言で「部落民は怖い」「あの地域に近づくな」「暴行される」などといった偏見がまかり通ってきた。長谷川氏の話は、そうした現代につづく差別を助長する行為だ。「悪党が襲ってきたとき、抜いた刀が当たらない距離で妻の安全を守るため」といった話は、「江戸しぐさ」に肯定的な記事が掲載されるサイトで展開されていたが、その悪党の身分や犯罪の目的にまで言及しているものはなかった(リテラ調べ)。「穢多非人」・「性犯罪」という筋書きは、長谷川氏の創作だろう。

 しかし、この動画がTwitterで拡散され、批判が寄せられると、長谷川氏は「かつてこのような暗い歴史があったという史実を述べる事が差別発言ですか」と反論。「穢多非人はプロの強姦殺人集団で、彼らから侍は命を賭して妻子を守らなければならなかった」ことを「暗い史実」だと主張した。  

部落解放同盟中央本部は22日、日本維新の会に文書で抗議。組坂繁之中央執行委員長が、維新の馬場伸幸幹事長に面会した。長谷川氏は22日、「部落問題に関する学習不足」とし、公式コラムで発言を撤回して謝罪。維新の馬場幹事長は「無知から出た発言。処分を検討する」とコメントし、23日、公認を停止した。もし、半世紀前にこのような発言があったとして、ここまで世論は動いただろうか? 部落差別がまかり通らなくなったことがうかがえる。解放を求める闘争の成果だろう。  

5月23日で、石川一雄氏は狭山事件での不当逮捕56年になる。石川氏の冤罪被害は部落差別が一因である。朝日新聞の10面に、狭山事件の再審請求を求める意見広告が掲載され、東京の日比谷野外音楽堂では再審を求める市民集会が、26日は大阪で当紙2面に掲載した集会が開催されるなど、差別による冤罪に抗議する活動が続けられている。 (編集部・村上)

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