【時事雑感】山本太郎の新党名「れいわ新撰組」に異議あり編集部 園 良太

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 山本太郎参議院議員の新党名が発表された。「れいわ新選組」。彼は東京五輪の招致成功決議案に国会で唯一反対したり、悪法への体を張った抵抗で市民運動からの評価も高い。だからこそ残念だ。維新の勝利に焦ったのか? 回顧ブームに短絡的に便乗したのか? と思わざるをえない、 ナショナリズムを煽る名前だ。  

問題は、(1)なぜ天皇=侵略戦争の王(つまり、天皇)の時間で私たちの政治や社会を決めるのか。(2)なぜ人殺し集団=新撰組を名乗るのか(もちろん反幕府側も同じ)。(3)なぜ大阪維新の会と同レベルな懐古趣味になるのか? 日本の現状と歴史認識の酷さを凝縮させた名前だ。過去を使うにも未来を志向するにも、新党名は民衆の権力への抵抗に基づくべきではないか。  

真面目なの?と思われる

彼の新党名について、「皮肉だから良い」という意見にも反論したい。 

(1)アジア2千万人を殺した天皇制や元号は、「皮肉だから」では済まされない。被害者がどう思うか?  

(2)政治に対しても軽い。世界中の革新新党は、皮肉で名づける党などなく、信念をストレートに込めている。議会政治は人々の思いを公的に集約するものだからだ。  

(3)結果、市民からも「真面目にやってんの?」と思われ、支持を得られない。「皮肉」と考えてくれるのは相互批判のできない内輪だけ。混乱を生み、孤立するだけだろう。  

よく問われる「なぜ日本人が他国の人々のように怒らないのか?」それは元号と天皇制が政治・社会の問題を包み隠し続けているからだ。  

平和主義者という幻想

彼は13年に天皇に「救国」を求める手紙を渡しており、それが今回の党名を生んだ。だが天皇と安倍政権は対立していない。天皇は平和主義者ではなく、天皇制を永続させる事しか頭にない。そのためには侵略戦争の最高責任者、ヒロヒトの責任をかき消さねばならない。明仁の「慰霊」行動は全てそれが目的だ。  

彼の党名は、右傾化を促進させる。社会運動家としての彼を知っているからこそ、忠告を込めて問題にしたい。

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