【国際評論ベネズエラ】 国際宣言 ベネズエラの政治紛争の拡大の停止を/帝国主義の介入反対/ベネズエラ人民からのベネズエラ人民のための民主主義的解決を

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ラテンアメリカの活動家等によるベネズエラ危機を巡る「国際宣言」
ベネズエラ危機を巡るラテンアメリカの活動家等による「国際宣言」の翻訳文です。
ATTAC関西の方が翻訳したものです。なお掲載にあたり賛同人一覧については長文になるため省略しましたので文中リンクの英語版またはスペイン語版をご覧ください。
国際宣言
ベネズエラの政治紛争の拡大の停止を/帝国主義の介入反対/ベネズエラ人民からのベネズエラ人民のための民主主義的解決を
英語:https://www.europe-solidaire.org/spip.php?article47655

ベネズエラはかつてない危機に直面している。危機はこの数年徐々に深刻化し、国家の生活のあらゆる側面に劇的な影響を及ぼすまでに至っている。公共サービスの崩壊、石油産業の崩壊、GDPの急激な下落、超インフレ、貧困の目がくらむほどの増加、何百万人もの人々の海外への移住などがこの危機を特徴づけている。
政治不安は非常に危険なレベルに達しており、憲法に基づく国家、社会的共存の枠組み、諸機関の健全性が掘り崩されている。この国の人々は絶対的な困窮状態にある。
ニコラス・マドゥロの政府は独裁主義に向かって進んでおり、ボリバール革命のプロセスの開始以降に確立されてきたさまざまな形態の大衆参加を事実上抑制している。社会的不満を表現する多くの抗議行動やデモに対して弾圧が強まっている。政府は集団的意思決定メカニズムとしての選挙の道を乗っ取り、ルートをハイジャックし、いかなる犠牲を払っても権力を維持するという目的に執着している。
マドゥロは憲法の枠を超えて支配し、恒常的に例外的措置を適用している。その一方で資源開発主義は深まっており、多国籍企業を利する経済調整政策が導入され、社会と自然に否定的な影響を及ぼしている。
これと並行して、さまざまな大衆動員を主導していた反政府ブロックの極右派は、マドゥロ政権の力による即時の追放を求めるいくつかの呼びかけを発し(2014年と2017年)、非常に重大な暴力的衝突とインフラへの攻撃を引き起こした。これは何百万人もの人々の日常生活の困窮を一層促進し、平和的共存の枠組みに深刻な影響を及ぼした。
さらに、ラテンアメリカにおける右翼的政治勢力の伸長と連携を背景に外国からの介入が激化してきた。第一に、米国政府は2015年以来ベネズエラに対して行政命令、脅迫的な発言、マドゥロ政権に反対するための地域的および国際的なロビー活動団体の設立、国家経済に影響を及ぼす経済制裁などを通じて一段と攻撃的な立場を取るようになった。そのほかの、中国やロシアなどの国際的なアクターたちもまた、自分たちの拡張主義的関心と経済・エネルギー面での欲望に従って事態の進行に重要な影響を及ぼし、極度に緊張した地政学的状況を構成している。
19年1月23日に国会議長のフアン・グアイドが移行政府を率いるためにベネズエラの「暫定大統領」になることを自ら宣言したことは、危機の新たなエスカレーションに道を開いた。国内に併存国家を設立しようとするこの試みは米国政府および他の同盟国、つまりカナダ、アルゼンチン、ブラ
ジル、コロンビア、チリ、ペルー、エクアドル、パラグアイなどの国家からの迅速な承認を得た。
国会と国外に亡命している最高裁判所を中心とした併存国家 – 米国といわゆるリマ・グループによって支持されている – の設立は危機の深化と国内の武力紛争、国際的介入を伴う内戦の開始という段階を開始する。これは人々にとって、またベネズエラ共和国にとって破滅的なシナリオであり、世界の他の地域で最近の帝国主義的介入の結果として起こったように、この国がさまざまな国際的利害によって分断され、餌食にされるかも知れない。
米国の攻撃的な圧力、そして米国とベネズエラ政府の間の外交的対立は非常に危険な勢力配置をもたらす。
現在の状況はもはや民主主義の実現の可能性に対する脅威だけではなく、何百万人ものベネズエラ人の生活そのもの、そしてこの地域の安定への脅威をも表している。武力対決においては人々が最初に被害を受けるが、今日のベネズエラのように人々がすでに領土紛争との関連で極度の不安定さと暴力を経験しているような国ではなおさらである。

この意味で、この宣言に署名する私たちは、以下のことを表明する。
* マドゥロ政権の独裁主義および全国で高まっている抗議行動 – 食料、交通、医療、政治参加、公共サービス、生活賃金などを求めている – に対する政府の弾圧を支持しない。極度の不安定さと現在の弾圧に苦しんでいるベネズエラの人々は抗議し、それによって処罰を受けない権利を持っている。

* 私たちはフアン・グアイドの勝手な宣言と国内での併存国家の設立を支持しない。それはより大きな紛争につながるだけであり、同国が直面している主要な問題を解決しない。

* 私たちは人民によって決定される平和的解決を尊重しない反民主主義的な政治的近道を支持しない。

* 私たちは米国の介入主義も、他のいかなる形態の外国からの干渉も支持しない。ベネズエラは国際的な戦場になってはならない。ベネズエラの運命を決めるのはベネズエラの人々である。私たちはこの意味で世界中の人々にベネズエラの人々を支援し、共に進むことを呼びかける。

* 私たちはベネズエラにおける政治的紛争の拡大を阻止するために、政治的アクターと社会的組織が力を合わせることを緊急に呼びかける。

* 私たちは対話のシナリオを促進し、ベネズエラの人々が次の方向を民主主義的に、下から決定することができるような解決策を追求すること、そしてボリバール革命がその初期に確立した民主化のプロセスと再び結びつくことを呼びかける。

* 私たちは解決策が共和国憲法の原則に基づいていることを求める。理解のための社会的、政治的、制度的な枠組みを再構築することが不可欠である。

* 私たちはウルグアイとメキシコの政府が申し出ている調停を通じて、および(または)拘束力のある国民投票を実施することによって、ベネズエラからなされる結論の提案を支持する。米州機構(OAS)でグアイドの宣言を支持するのに必要な数の票が得られなかったという事実は、まだ国際的な対話の余地があることを示している。

* 私たちは国内の政治的アクターたちがベネズエラの人々を窒息させている経済危機からの脱出のための方策を進めるよう呼びかける。これらの方策は人々の基本的なニーズに関する問題を軽減し、生活と社会福祉の発展を可能にする経済の復活を後押しするのに役立つ必要がある。
ベネズエラの社会が直面している深刻な危機からの脱出は平和的で、憲法に基づくものでなければならず、主権をベネズエラの人々に返すものでなければならない。

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