【ぷりずむ】

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 寒い冬から暑い春へと一気に移りかわってしまって、頭も身体もついていかない。みるみるうちに新緑が吹き出し、鳥がさえずり、虫もぶんぶん飛び回り、生き物たちはにぎやかだ。きっと人間は頭デッカチなぶん、季節の変わり目に乗り遅れるのだろう。学校だとか会社だとか電車だとか、人間社会の時間は季節を問わず一定になっているが、それは不自然なことなのだ▼しかし、それにしても二極化が著しい。季節が二極化してしまうと、ほどほどのいい季節が少なくなって、寒いか暑いかの、いずれも苛酷な季節になってしまう。言うまでもないが、社会の二極化についても、同じことは言える。バリバリがんばって稼ぐ人と、そういう社会でやっていけなくなってしまう人とに二極化してしまうのでは、どちらも苛酷で苦しい▼ごく一部の富裕層はがんばらなくても生きていけるのだろうけれど、大多数の人は二極化に苦しんでいる。さまざまな少数派への差別も根強い一方で、福祉の網にもひっかからず、上に向かってがんばらされている人=多数派もまた、しんどい社会になっていると言える。「何をぬるいことを言ってるんだ」と言う人には、言い返そう。ぬるさこそ必要なのだ。 (K)

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