ぷりずむ

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 今年は明治維新から百五十年の節目だ。非西洋で最初に「近代化」した日本は、自らの「近代」を振り返り、次の時代を拓かねばならない

▼この百五十年は、十五年戦争の敗北と、福島第一原発核惨事に帰着した。戦前これを主導したのは、森友問題で再び注目された、天皇を神とする国家神道だった。あれだけ「鬼畜米英を撃て」と人々を動員し、国内外で数千万の犠牲を出しながら、戦後は一転、対米隷属の政治となる

▼国家の基本法である憲法に対し、その上に安保条約と米軍がある体制が戦後一貫して続き、立憲主義が実際に行われたことは一度もない。そして、アメリカの核戦略のもと、地震列島に原発を作り続け、核惨事に至るのである

▼軍需産業しか利益が出ない今の時代に、戦争を煽り戦前への回帰を目指すことは、産業界の利益と一致する。日本会議や神社本庁がアベ政治を操っている。今年、彼らは日本近代を持ちあげる行事や報道をいくつもするだろう

▼しかし近代とは近代資本主義であり、外に対しては侵略、内に対しては収奪と搾取の時代であることに変わりない。明治維新百五十年は、資本主義を越える理念と実践が試されるときでもあることを忘れないでゆこう。

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